【HK10S/伊勢だより/2013/009】◎伊勢だより◎三月九日◎少林寺円空仏◎ 円空の彫った仏さまを見ていると、心にぽっと灯がともる気がします。 木を無造作に刻んだだけのようでいて、何ともやさしく微笑んでいます。 江戸初期の僧・円空は諸国をめぐり、行く先々で多くの木仏をのこしました。 志摩を訪れたのは四十三歳の時。 ここ少林寺にのこる観音さまは六〇センチ足らずの木ぎれに、毛筆画のようなお顔を彫りだしています。 誰にともなく、穏やかに語りかけているようです。 三月九日