温度や熱とは何なのでしょうか。温度が高くなると、原子や分子にどのような変化がおこるのでしょうか。物質によって温まりやすさは異なるのでしょうか。低温物体と高温物体を接触させたときの温度はどのように変化するのでしょうか。


熱いという感覚の元になっているのが、熱です。
例えば、体温なら体温計を使って「熱い」という感覚を定量的に知ることができます。
「熱い」「冷たい」という感覚を定量的に知る方法の1つに、液体の膨張を利用する方法があります。
ガラス管のついたフラスコにわかりやすいように色を付けた水が入っています。
フラスコを氷水で冷やすと、ガラス管内の水の位置が下がっていきました。
つまり、液体の体積が小さくなったのです。
次に、お湯の中にフラスコを入れて温めてみます。
ガラス管内の水が上がっていきました。
つまり、水の体積が大きくなったのです。
水は、温度が下がると体積が小さくなり、温度が上がると体積が増えることがわかりました。
水が氷る時を0、水が沸騰する時を100として、その間を100等分して作った温度の目盛りを
セルシウス温度目盛りと言います。
これは、1742年、アンデルス・セルシウスが考案したものに基づいています。
温度を上昇させるためには、火に近づけたり、お湯の中に入れたりする方法があります。
つまり、高温の物体に近づけるということです。
このときの温度変化をもたらす原因を、熱と呼びます。
さて、高温の物体に接触させなくても、温度を上げることができます。
例えば、鉛の粒が入ったペットボトルを振ると、温度が上がりました。
鉛の粒を振ると力学的なエネルギーが生まれます。
しかし、動いていたものが止まる時、力学的エネルギーはなくなります。
その時に温度が上昇します。
なくなったエネルギーが熱になったのでは、と推測することができます。
例えば、手をこすったりして摩擦させても熱が出ますよね!
このように、温度上昇の原因である「熱」は、エネルギーの移動であると考えられます。


牛乳を水で薄めた液を使って、分子の動きを顕微鏡で観察します。
小さな粒は、牛乳に含まれている脂肪の粒子で、細かく振動しながら動いています。
不規則な運動をしている水の分子がぶつかり、脂肪の粒子が動かされているのです。
これをブラウン運動と言います。
粒子に衝突する、原子や分子の不規則な運動を熱運動と言います。
また、温度が高い場合には、ブラウン運動が激しくなります。
つまり、温度が高い時、水の分子の動きははより激しくなるのです。
熱運動と温度の関係について、水を例に考えてみましょう。
氷が熱を得て高温になっていくと、解けて水になり、さらに沸騰して水蒸気になります。
氷では水分子が一定の間隔を保って振動をしています。
熱を加えると分子の運動が激しくなり、0℃になると決まった位置を離れて運動を始め、水になります。
さらに熱を加えると熱運動が一層激しくなり、蒸発して気体になる分子が増えていきます。
そして、100℃になると液体の内部からも水蒸気が発生し、すべて気体になります。
逆に、-273℃になると熱運動がほとんどなくなることがわかっています。
この-273℃を0とする温度目盛りが絶対温度メモリです。
絶対温度はK(ケルビン)という単位で表します。
1℃の温度差と、1Kの温度差は同じです。
物体の温度が変化するときに移動するエネルギーが「熱」。
熱が加わるとき、熱運動が激しくなります。その激しさを表すのが「温度」なのです。


2つの湯たんぽを用意しました。
1つは水、もう1つは油が同じ質量だけ入っています。
湯たんぽはお湯に漬けてあるので、水は49.1℃、油は49.6℃と、ほぼ同じ温度です。
同時にお湯から出して、どちらが先に冷めるのか実験します。
結果を知る前に、物質によって温度の温まり方がどう違うか考えてみましょう!
同じ質量の銅とアルミニウムをホットプレートの上に置き加熱します。
それを赤外線カメラで観察すると、銅の方が先に温度が上がることがわかりました。
物体の温度が変化するときに移動するエネルギーを熱といい、その量を熱量と言います
温度変化のしやすさは、1gの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱量cで比べることができます。
この熱量cを比熱と言います。
また、同じ物質でも温度を上昇させるのに必要な熱量は、質量に比例して増加します。
そこで、物質全体の温度を1K上昇させるのに必要な熱量Cを熱容量と言います。
熱容量はC=m×cとなります。
さらに、物質をTK上昇させるには、Q=m×c×Tの熱量が必要となります。
温度が下がるときには、物体から熱が失われます。
この式は失われる熱量についても成り立ちます。
つまり、比熱cが大きいほど温まりにくく冷めにくい、ということになります。
さて、湯たんぽをお湯の中から出して、30分が経過しました。
水の温度は40.7℃、油の温度は35.1℃です。
油よりも水の方が冷めにくいことがわかります。つまり、水の方が比熱が大きいのです。
湯たんぽに水を使う理由がわかりましたね!


温度の異なるものが接したとき、それぞれの温度はどのように変化するでしょうか。
熱が逃げにくい大きな容器をはかりの上に置き、目盛りをゼロに調整します。
容器には冷たい水を150g入れます。
次に、小さいアルミニウムの容器を用意し、お湯を75g入れます。
冷たい水の中にお湯の入った容器を入れると、お湯の温度が下がっていき、水の温度が上がっていきます。
そして、7分30秒後、2つの温度はほぼ一緒になりました。
このように、2つの温度が同じになった状態を熱平衡といいます。
まず、高温で激しく振動していた分子の振動が低温の分子に伝わります。
熱の移動は両者の温度が同じ温度になるまで続きます。
したがって、お湯が失った熱量と低温の水が得た熱量が常に等しくなります。
これを、熱量保存の法則と言います。
比熱が4.2〔J/(g・K)〕とわかっている水の中に100gの銅を入れて、銅の比熱を測定します。
熱が逃げにくい容器に150gの水を入れます。温度は24.3℃です。
銅を沸騰した湯の中に入れて加熱し、湯の温度が100度となり、充分熱が伝わったところで、
銅を水に入れます。
すると、水の温度は28.2℃になりました。
実験結果から、銅の比熱を求めましょう。
【水】150g、24.3℃、比熱4.2〔J/(g・K)〕
【銅】100g、100.0℃、比熱c〔J/(g・K)〕
熱平衡の温度は28.2℃でした。
すると、水が得た熱量は、Q1=150×4.2×(28.2-24.3)
銅が失った熱量は、Q2=100×c×(100.0-28.2)
熱量保存より、Q1=Q2がいえるので、
150×4.2×(28.2-24.3)=100×c×(100.0-28.2)
これを計算すると、c=0.34〔J/(g・K)〕となります。
したがって、銅の比熱は0.34 〔J/(g・K)〕という結果が出ました。
比熱は物質によって決まっています。銅の比熱は0.38〔J/(g・K)〕です。
値が実験値とは違っていますが、これは実験中に熱が逃げたりしたための誤差です。
また、水の比熱は銅の10倍以上もあることがわかります。
水の比熱が大きいという事は、私たちの生活にとても大切なことなのです。
地球の表面積のおよそ75%は海という水に覆われています。
ですから、海が湯たんぽの役割を果たして、大きな温度の変化を和らげてくれているのです。


熱いという感覚の元になっているのが、熱です。
例えば、体温なら体温計を使って「熱い」という感覚を定量的に知ることができます。
「熱い」「冷たい」という感覚を定量的に知る方法の1つに、液体の膨張を利用する方法があります。
ガラス管のついたフラスコにわかりやすいように色を付けた水が入っています。
フラスコを氷水で冷やすと、ガラス管内の水の位置が下がっていきました。
つまり、液体の体積が小さくなったのです。
次に、お湯の中にフラスコを入れて温めてみます。
ガラス管内の水が上がっていきました。
つまり、水の体積が大きくなったのです。
水は、温度が下がると体積が小さくなり、温度が上がると体積が増えることがわかりました。
水が氷る時を0、水が沸騰する時を100として、その間を100等分して作った温度の目盛りを
セルシウス温度目盛りと言います。
これは、1742年、アンデルス・セルシウスが考案したものに基づいています。
温度を上昇させるためには、火に近づけたり、お湯の中に入れたりする方法があります。
つまり、高温の物体に近づけるということです。
このときの温度変化をもたらす原因を、熱と呼びます。
さて、高温の物体に接触させなくても、温度を上げることができます。
例えば、鉛の粒が入ったペットボトルを振ると、温度が上がりました。
鉛の粒を振ると力学的なエネルギーが生まれます。
しかし、動いていたものが止まる時、力学的エネルギーはなくなります。
その時に温度が上昇します。
なくなったエネルギーが熱になったのでは、と推測することができます。
例えば、手をこすったりして摩擦させても熱が出ますよね!
このように、温度上昇の原因である「熱」は、エネルギーの移動であると考えられます。


牛乳を水で薄めた液を使って、分子の動きを顕微鏡で観察します。
小さな粒は、牛乳に含まれている脂肪の粒子で、細かく振動しながら動いています。
不規則な運動をしている水の分子がぶつかり、脂肪の粒子が動かされているのです。
これをブラウン運動と言います。
粒子に衝突する、原子や分子の不規則な運動を熱運動と言います。
また、温度が高い場合には、ブラウン運動が激しくなります。
つまり、温度が高い時、水の分子の動きははより激しくなるのです。
熱運動と温度の関係について、水を例に考えてみましょう。
氷が熱を得て高温になっていくと、解けて水になり、さらに沸騰して水蒸気になります。
氷では水分子が一定の間隔を保って振動をしています。
熱を加えると分子の運動が激しくなり、0℃になると決まった位置を離れて運動を始め、水になります。
さらに熱を加えると熱運動が一層激しくなり、蒸発して気体になる分子が増えていきます。
そして、100℃になると液体の内部からも水蒸気が発生し、すべて気体になります。
逆に、-273℃になると熱運動がほとんどなくなることがわかっています。
この-273℃を0とする温度目盛りが絶対温度メモリです。
絶対温度はK(ケルビン)という単位で表します。
1℃の温度差と、1Kの温度差は同じです。
物体の温度が変化するときに移動するエネルギーが「熱」。
熱が加わるとき、熱運動が激しくなります。その激しさを表すのが「温度」なのです。


2つの湯たんぽを用意しました。
1つは水、もう1つは油が同じ質量だけ入っています。
湯たんぽはお湯に漬けてあるので、水は49.1℃、油は49.6℃と、ほぼ同じ温度です。
同時にお湯から出して、どちらが先に冷めるのか実験します。
結果を知る前に、物質によって温度の温まり方がどう違うか考えてみましょう!
同じ質量の銅とアルミニウムをホットプレートの上に置き加熱します。
それを赤外線カメラで観察すると、銅の方が先に温度が上がることがわかりました。
物体の温度が変化するときに移動するエネルギーを熱といい、その量を熱量と言います
温度変化のしやすさは、1gの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱量cで比べることができます。
この熱量cを比熱と言います。
また、同じ物質でも温度を上昇させるのに必要な熱量は、質量に比例して増加します。
そこで、物質全体の温度を1K上昇させるのに必要な熱量Cを熱容量と言います。
熱容量はC=m×cとなります。
さらに、物質をTK上昇させるには、Q=m×c×Tの熱量が必要となります。
温度が下がるときには、物体から熱が失われます。
この式は失われる熱量についても成り立ちます。
つまり、比熱cが大きいほど温まりにくく冷めにくい、ということになります。
さて、湯たんぽをお湯の中から出して、30分が経過しました。
水の温度は40.7℃、油の温度は35.1℃です。
油よりも水の方が冷めにくいことがわかります。つまり、水の方が比熱が大きいのです。
湯たんぽに水を使う理由がわかりましたね!


温度の異なるものが接したとき、それぞれの温度はどのように変化するでしょうか。
熱が逃げにくい大きな容器をはかりの上に置き、目盛りをゼロに調整します。
容器には冷たい水を150g入れます。
次に、小さいアルミニウムの容器を用意し、お湯を75g入れます。
冷たい水の中にお湯の入った容器を入れると、お湯の温度が下がっていき、水の温度が上がっていきます。
そして、7分30秒後、2つの温度はほぼ一緒になりました。
このように、2つの温度が同じになった状態を熱平衡といいます。
まず、高温で激しく振動していた分子の振動が低温の分子に伝わります。
熱の移動は両者の温度が同じ温度になるまで続きます。
したがって、お湯が失った熱量と低温の水が得た熱量が常に等しくなります。
これを、熱量保存の法則と言います。
比熱が4.2〔J/(g・K)〕とわかっている水の中に100gの銅を入れて、銅の比熱を測定します。
熱が逃げにくい容器に150gの水を入れます。温度は24.3℃です。
銅を沸騰した湯の中に入れて加熱し、湯の温度が100度となり、充分熱が伝わったところで、
銅を水に入れます。
すると、水の温度は28.2℃になりました。
実験結果から、銅の比熱を求めましょう。
【水】150g、24.3℃、比熱4.2〔J/(g・K)〕
【銅】100g、100.0℃、比熱c〔J/(g・K)〕
熱平衡の温度は28.2℃でした。
すると、水が得た熱量は、Q1=150×4.2×(28.2-24.3)
銅が失った熱量は、Q2=100×c×(100.0-28.2)
熱量保存より、Q1=Q2がいえるので、
150×4.2×(28.2-24.3)=100×c×(100.0-28.2)
これを計算すると、c=0.34〔J/(g・K)〕となります。
したがって、銅の比熱は0.34 〔J/(g・K)〕という結果が出ました。
比熱は物質によって決まっています。銅の比熱は0.38〔J/(g・K)〕です。
値が実験値とは違っていますが、これは実験中に熱が逃げたりしたための誤差です。
また、水の比熱は銅の10倍以上もあることがわかります。
水の比熱が大きいという事は、私たちの生活にとても大切なことなのです。
地球の表面積のおよそ75%は海という水に覆われています。
ですから、海が湯たんぽの役割を果たして、大きな温度の変化を和らげてくれているのです。