植物が生きるためには水が必要です。
植物の体の中には、水が通る管=道管があり、水は根から吸い上げられ、茎から葉へと送られています。
そして植物は吸い上げた水を、空に向かって出しています。
今日は、植物が生きていくために行っている仕組みについて、考えていきます。


ミニトマトの苗に、ビニール袋をかぶせてみます。
およそ30分後、袋の内側が曇ってきました。
よく見ると、水がたまっています。
植物は主に葉から水を出しています。
水は蒸発して水蒸気となり、空気中に放出されています。
これを、蒸散といいます。
葉には水の出口があります。
出口の大部分は、気孔と呼ばれるところで、くちびるのような形をしています。
トラディスカンティアという観葉植物は紫色の葉が薄くできているため、気孔を観察するのに適しています。
気孔を観察するには、葉の裏の表皮の部分を使います。
トラディスカンティアの葉をちぎり、半分に折って一方を引きはがします。
その時残った葉の裏の表皮をハサミで切り、その切片をスライドガラスに乗せます。
スポイトで水を落とし、カバーガラスをかけ、顕微鏡にセットします。
この状態で茎を切ると、水が来なくなったことを感じて、気孔は閉じていきます。
気孔が開くのは光合成をするためです。
植物は光が当たると、光合成を行なうために、空気中から二酸化炭素を取り込みます。
このとき、二酸化炭素の取り込み口となるのが、気孔です。


2本のヨモギを用意し、一方のヨモギにはアルミ箔をかぶせます。
両方の茎に水が入った管をつなぎ、茎の中の道管と同じ様な状態にします。
同時に光を当ててみます。
すると、光が当たった方が、アルミ箔で光をさえぎった方より、たくさん水を引き上げていきます。
植物に光が当たると、茎の中の水の移動が活発になることがわかります。
気孔が開くと、茎は水を吸い上げ、水は外に出ていきます。
しかし、なぜ重力に逆らって水を引き上げることができるのでしょうか。
中の写真は、土が乾燥すると、水を自動的に吸い上げて土に送る園芸用の道具です。
乾燥すると自動的に水をやってくれるので、旅行などで不在のとき等に便利です。
この道具の先の部分は素焼きの筒でできていて、目には見えない小さなさな穴が開いています。
土が乾くと、この小さな穴を通って水が供給されます。
この素焼きの筒を使って、実験してみました。
素焼きの筒は気孔、チューブは道管の代わりです。
ドライヤーは太陽の代わりで、この筒に温風を当てます。
これで、葉から出る水が蒸発する蒸散と同じ状態を作りました。
ドライヤーのスイッチを入れると、チューブの中を水が上がっていきます。
このように、植物が葉で蒸散を行なうと、道管の内部に水を引き上げる力がはたらき、水が出て行くのです。


水を引き上げる力によって、植物の体の中の水が保たれています。
その水を取り込むのは、植物の根です。
根が水を吸収するはたらきを見てみましょう。
植物の根は、土の中を掘り進みながら成長していきます。
根は、植物の体を支えると同時に、水を吸収するはたらきをしています。
根には、細い毛のような 根毛が生えていて、主にここから水を取り込んでいます。
根毛を伸ばすことで、土から水を吸収する表面積が広がります。
取り込まれた水は、細胞から細胞へと受け渡されて根の中心に集まり、茎へと送られます。
根が水を吸収する時、葉から茎を通して水を引き上げる力の他に、もう1つ別の力がはたらいています。
その力を、セロハン膜で実験してみます。
セロハン膜は、植物の根毛の細胞膜と同じように、小さな分子だけが通れる穴が開いています。
セロハン膜に、色をつけた塩水を入れて縛ります。
このセロハン膜の筒にビニール管につなぎ、筒を水が入ったビーカーの中に入れます。
この実験では、
・ ビーカーの水 … 土の中の水分
・ セロハン膜 … 根毛の細胞膜
・ ビニール管 … 根の道管
に当たります。
色水がビニール管の中を上がっていきます。
これは、ビーカーの水をセロハン膜の中に浸透させる圧力=浸透圧がはたらいたからです。
植物の根には、水を下から上に、押し上げる力があり、これを根圧といいます。
植物は、蒸散によって水が引き上げられる力と、根圧によって水が押し上げられる力によって
根から葉へと茎の中を上昇していくのです。
植物に水をやるのは、朝と夕方では、朝の方が適しています。
朝に水をやれば、その後、光がたくさん当たって光合成が始まります。
光合成が行われると、気孔が開き、植物は水を吸収しやすくなります。
さらに、蒸散によって、昼間、植物の体の温度が上がりすぎるのを防ぎます。
たくさんの植物が集まっている森を考えてみましょう。
森では、多くの植物が土の中の水を引き上げて空気中に放出しています。
このような植物の営みが、地球規模の水の循環に大きな役割を果たしているのです。
植物の体の中には、水が通る管=道管があり、水は根から吸い上げられ、茎から葉へと送られています。
そして植物は吸い上げた水を、空に向かって出しています。
今日は、植物が生きていくために行っている仕組みについて、考えていきます。


ミニトマトの苗に、ビニール袋をかぶせてみます。
およそ30分後、袋の内側が曇ってきました。
よく見ると、水がたまっています。
植物は主に葉から水を出しています。
水は蒸発して水蒸気となり、空気中に放出されています。
これを、蒸散といいます。
葉には水の出口があります。
出口の大部分は、気孔と呼ばれるところで、くちびるのような形をしています。
トラディスカンティアという観葉植物は紫色の葉が薄くできているため、気孔を観察するのに適しています。
気孔を観察するには、葉の裏の表皮の部分を使います。
トラディスカンティアの葉をちぎり、半分に折って一方を引きはがします。
その時残った葉の裏の表皮をハサミで切り、その切片をスライドガラスに乗せます。
スポイトで水を落とし、カバーガラスをかけ、顕微鏡にセットします。
この状態で茎を切ると、水が来なくなったことを感じて、気孔は閉じていきます。
気孔が開くのは光合成をするためです。
植物は光が当たると、光合成を行なうために、空気中から二酸化炭素を取り込みます。
このとき、二酸化炭素の取り込み口となるのが、気孔です。


2本のヨモギを用意し、一方のヨモギにはアルミ箔をかぶせます。
両方の茎に水が入った管をつなぎ、茎の中の道管と同じ様な状態にします。
同時に光を当ててみます。
すると、光が当たった方が、アルミ箔で光をさえぎった方より、たくさん水を引き上げていきます。
植物に光が当たると、茎の中の水の移動が活発になることがわかります。
気孔が開くと、茎は水を吸い上げ、水は外に出ていきます。
しかし、なぜ重力に逆らって水を引き上げることができるのでしょうか。
中の写真は、土が乾燥すると、水を自動的に吸い上げて土に送る園芸用の道具です。
乾燥すると自動的に水をやってくれるので、旅行などで不在のとき等に便利です。
この道具の先の部分は素焼きの筒でできていて、目には見えない小さなさな穴が開いています。
土が乾くと、この小さな穴を通って水が供給されます。
この素焼きの筒を使って、実験してみました。
素焼きの筒は気孔、チューブは道管の代わりです。
ドライヤーは太陽の代わりで、この筒に温風を当てます。
これで、葉から出る水が蒸発する蒸散と同じ状態を作りました。
ドライヤーのスイッチを入れると、チューブの中を水が上がっていきます。
このように、植物が葉で蒸散を行なうと、道管の内部に水を引き上げる力がはたらき、水が出て行くのです。


水を引き上げる力によって、植物の体の中の水が保たれています。
その水を取り込むのは、植物の根です。
根が水を吸収するはたらきを見てみましょう。
植物の根は、土の中を掘り進みながら成長していきます。
根は、植物の体を支えると同時に、水を吸収するはたらきをしています。
根には、細い毛のような 根毛が生えていて、主にここから水を取り込んでいます。
根毛を伸ばすことで、土から水を吸収する表面積が広がります。
取り込まれた水は、細胞から細胞へと受け渡されて根の中心に集まり、茎へと送られます。
根が水を吸収する時、葉から茎を通して水を引き上げる力の他に、もう1つ別の力がはたらいています。
その力を、セロハン膜で実験してみます。
セロハン膜は、植物の根毛の細胞膜と同じように、小さな分子だけが通れる穴が開いています。
セロハン膜に、色をつけた塩水を入れて縛ります。
このセロハン膜の筒にビニール管につなぎ、筒を水が入ったビーカーの中に入れます。
この実験では、
・ ビーカーの水 … 土の中の水分
・ セロハン膜 … 根毛の細胞膜
・ ビニール管 … 根の道管
に当たります。
色水がビニール管の中を上がっていきます。
これは、ビーカーの水をセロハン膜の中に浸透させる圧力=浸透圧がはたらいたからです。
植物の根には、水を下から上に、押し上げる力があり、これを根圧といいます。
植物は、蒸散によって水が引き上げられる力と、根圧によって水が押し上げられる力によって
根から葉へと茎の中を上昇していくのです。
植物に水をやるのは、朝と夕方では、朝の方が適しています。
朝に水をやれば、その後、光がたくさん当たって光合成が始まります。
光合成が行われると、気孔が開き、植物は水を吸収しやすくなります。
さらに、蒸散によって、昼間、植物の体の温度が上がりすぎるのを防ぎます。
たくさんの植物が集まっている森を考えてみましょう。
森では、多くの植物が土の中の水を引き上げて空気中に放出しています。
このような植物の営みが、地球規模の水の循環に大きな役割を果たしているのです。