命題とは正しいか正しくないかがはっきりと決まる文や式のことを指します。実は,これまで学習してきた因数分解の公式や2次方程式の解の公式,三平方の定理などはどれも命題です。つまり,数学は正しい命題を積み重ねて作られています。また,命題を学ぶうえで,集合の考え方はとても役に立ちます。前回の内容を思い出しながら,命題についての理解を深め,論理的な考え方を身に付けていきましょう。


次のなかで正しいものはどれでしょう?
(1)すき焼きには牛肉を使う
(2)インスタントラーメンは日本で生まれた
(3)こんにゃくの原料は小麦粉
今回は「集合」の考え方・表し方を使って、論理的に考える方法を学びます!
さて、正しいか正しくないかが決まる文や式のことを命題といいます。
ウォーミングアップの問題を例に考えてみましょう。
(1)は豚肉を使う人もいるので、正しいか正しくないか決められませんね。
つまり命題ではありません。
そして、(2)は正しく、(3)は正しくありません。
この2つは正しいか正しくないかが決められるので、命題です。
また、正しいことをいっている(2)の命題は真であるといい、正しくない(3)の命題は偽であるといいます。


次は、式の命題の真偽を考えてみましょう!
(1)1+2=3
(2)5+3=1
答えは…(1)は真、(2)は偽ですね☆
それでは、「ならば」を含む次の命題について考えてみましょう!
aが偶数 ならば a+1は奇数
これを数学では
aが偶数 ⇒ a+1は奇数
と表します。
このとき、「aが偶数」と「a+1は奇数」を条件といいます。
命題についてまとめておきましょう!
上の左の図のように「p⇒q(pならばq)」という命題において、pとqは条件です。
p⇒qの命題について具体的に考えていきましょう!
x=2⇒x2=4
22=4となるので、この命題は真です。
x2=9⇒x=3
x2=9を解くとx=±3となるので、この命題は偽です。
このとき、x2=9だけれどx=3にならない例(この場合x=-3)のことを反例といいます。
反例が1つでもあれば、その命題は偽ですので注意しましょう!


命題p⇒qが真であるとき、
pはqであるための十分条件、qはpであるための必要条件といいます。
さて、真優さんにとってのおいしいラーメンとは、スープにだしがきいていて、麺にコシがあるものだそうです。他にもいろいろあるようですが、この2つが特に大切なようです。
つまり…
おいしいラーメン⇒スープにだしがきいている
おいしいラーメン⇒麺にコシがある
ということですね。
「おいしいラーメン」が十分条件、「スープにだしがきいている」と「麺にコシがある」が必要条件です。
命題p⇒qが真で、q⇒pも真のとき、
pはqの十分条件であり、必要条件でもあります。
このとき、pはqであるための必要十分条件といいます。
qについても同じことがいえるので、qはpであるための必要十分条件です。
必要十分条件については「p⇔q」と表します。
ちなみに…
p⇒qとq⇒pがどちらも真ということは、pとqは同じことを表しているのです☆


さて、命題を集合の図を使って表すとわかりやすくなります。
真優さんにとってのおいしいラーメンを例に説明します。
命題「おいしいラーメン⇒麺にコシがある」は真でした。
そして、「おいしいラーメン」が十分条件、「麺にコシがある」が必要条件でしたね。
これは「麺にコシがあるラーメン」の中でも限られたラーメンだけが「おいしいラーメン」ということです。
つまり、上の右図のように、「麺にコシがあるラーメン」の中に「おいしいラーメン」は含まれるのです。
わかりやすくなりましたね☆
まとめておきましょう!
集合P:pを満たすものの集合
集合Q:qを満たすものの集合
とします。
命題p⇒qが真であるとき、集合の図を使って表すと上の左図のようになります。
つまり、集合Pのすべての要素が集合Qの要素になっているので、PはQの部分集合です。
このとき、部分集合を「P⊂Q」と表すことは前回学習しましたね!
集合の図を使って具体的な例を考えてみましょう!
nが4の倍数⇒nは偶数 (nは20以下の自然数)
4の倍数は2で割り切れるので、これは真の命題です。
このことを図で表してみましょう。
20以下の自然数で4の倍数の集合をP、偶数の集合をQとします。
すると、それぞれの集合の要素は次のようになります。
P={4,8,12,16,20}
Q={2,4,6,8,10,12,14,16,18,20}
これを図で表したのが上の左図です。
2つの集合の図を1つにまとめると上の右図のようになります。
集合Pのすべての要素は集合Qの要素にもなっているので、集合Pは集合Qの部分集合(P⊂Q)です。
命題「nが4の倍数⇒nは偶数」が真であることが、図にするとわかりやすくなりますね☆


次のなかで正しいものはどれでしょう?
(1)すき焼きには牛肉を使う
(2)インスタントラーメンは日本で生まれた
(3)こんにゃくの原料は小麦粉
今回は「集合」の考え方・表し方を使って、論理的に考える方法を学びます!
さて、正しいか正しくないかが決まる文や式のことを命題といいます。
ウォーミングアップの問題を例に考えてみましょう。
(1)は豚肉を使う人もいるので、正しいか正しくないか決められませんね。
つまり命題ではありません。
そして、(2)は正しく、(3)は正しくありません。
この2つは正しいか正しくないかが決められるので、命題です。
また、正しいことをいっている(2)の命題は真であるといい、正しくない(3)の命題は偽であるといいます。


次は、式の命題の真偽を考えてみましょう!
(1)1+2=3
(2)5+3=1
答えは…(1)は真、(2)は偽ですね☆
それでは、「ならば」を含む次の命題について考えてみましょう!
aが偶数 ならば a+1は奇数
これを数学では
aが偶数 ⇒ a+1は奇数
と表します。
このとき、「aが偶数」と「a+1は奇数」を条件といいます。
命題についてまとめておきましょう!
上の左の図のように「p⇒q(pならばq)」という命題において、pとqは条件です。
p⇒qの命題について具体的に考えていきましょう!
x=2⇒x2=4
22=4となるので、この命題は真です。
x2=9⇒x=3
x2=9を解くとx=±3となるので、この命題は偽です。
このとき、x2=9だけれどx=3にならない例(この場合x=-3)のことを反例といいます。
反例が1つでもあれば、その命題は偽ですので注意しましょう!


命題p⇒qが真であるとき、
pはqであるための十分条件、qはpであるための必要条件といいます。
さて、真優さんにとってのおいしいラーメンとは、スープにだしがきいていて、麺にコシがあるものだそうです。他にもいろいろあるようですが、この2つが特に大切なようです。
つまり…
おいしいラーメン⇒スープにだしがきいている
おいしいラーメン⇒麺にコシがある
ということですね。
「おいしいラーメン」が十分条件、「スープにだしがきいている」と「麺にコシがある」が必要条件です。
命題p⇒qが真で、q⇒pも真のとき、
pはqの十分条件であり、必要条件でもあります。
このとき、pはqであるための必要十分条件といいます。
qについても同じことがいえるので、qはpであるための必要十分条件です。
必要十分条件については「p⇔q」と表します。
ちなみに…
p⇒qとq⇒pがどちらも真ということは、pとqは同じことを表しているのです☆


さて、命題を集合の図を使って表すとわかりやすくなります。
真優さんにとってのおいしいラーメンを例に説明します。
命題「おいしいラーメン⇒麺にコシがある」は真でした。
そして、「おいしいラーメン」が十分条件、「麺にコシがある」が必要条件でしたね。
これは「麺にコシがあるラーメン」の中でも限られたラーメンだけが「おいしいラーメン」ということです。
つまり、上の右図のように、「麺にコシがあるラーメン」の中に「おいしいラーメン」は含まれるのです。
わかりやすくなりましたね☆
まとめておきましょう!
集合P:pを満たすものの集合
集合Q:qを満たすものの集合
とします。
命題p⇒qが真であるとき、集合の図を使って表すと上の左図のようになります。
つまり、集合Pのすべての要素が集合Qの要素になっているので、PはQの部分集合です。
このとき、部分集合を「P⊂Q」と表すことは前回学習しましたね!
集合の図を使って具体的な例を考えてみましょう!
nが4の倍数⇒nは偶数 (nは20以下の自然数)
4の倍数は2で割り切れるので、これは真の命題です。
このことを図で表してみましょう。
20以下の自然数で4の倍数の集合をP、偶数の集合をQとします。
すると、それぞれの集合の要素は次のようになります。
P={4,8,12,16,20}
Q={2,4,6,8,10,12,14,16,18,20}
これを図で表したのが上の左図です。
2つの集合の図を1つにまとめると上の右図のようになります。
集合Pのすべての要素は集合Qの要素にもなっているので、集合Pは集合Qの部分集合(P⊂Q)です。
命題「nが4の倍数⇒nは偶数」が真であることが、図にするとわかりやすくなりますね☆