【HK12S/2012/011】◎Brodeuses◎2004◎ | HK5STUDIO/CONVENI

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クレールはスーパーで働く17歳の少女。家族と離れ、一人暮らしをしているが大人になりきった年頃でもなく、まだ母親からの愛を求めている。が、現実には、母との間は決して上手くいっていなかった。クレールは妊娠していた。5ヶ月半を過ぎたお腹は日に日に目立ち始めている。妊娠を母親にも話すことのできない彼女は、産婦人科医の薦めで「匿名出産」を決めた。フランスで通称「マドモアゼルXの出産」と呼ばれるもので、母親の身元を伏せたまま、産後すぐに里子に出す制度である。妊娠が周囲にバレることを恐れ、スーパーに病気休暇願いを出したクレールは、刺繍職人メリキアン夫人を訪ね、雇ってもらうのだった。
まだ思春期にあると言ってもいい少女の妊娠。クレールの妊娠は望んだものではなかった。彼女の様子は、単純に“望まない妊娠をした”というよりも、“妊娠そのもの”を受け入れられずにいるように映る。一方のメリキアン夫人は、愛する息子を事故で失ったばかりであり、苦しみから抜け出ることができない。生を授かった女性と失った女性。世代も境遇も対照的なふたりに共通するのは、刺繍だけだ。閉ざされた空間で、ふたりは刺繍を続ける。物語の始めから終わりまで、クレールと夫人の間に流れるのは、多くが沈黙だ。その沈黙が、やがて心安らぐものへと変化していくのが、しっとりと伝わってくる。2004年、カンヌ国際映画祭の批評家週間においてグランプリを受賞した本作には、優しい時間が流れている。
望まない妊娠をした少女クレールと、息子を亡くした中年女性が刺繍を通して交流を紡いでいくヒューマン・ドラマ。エレオノール・フォーシェ監督が、長編デビュー作にしてカンヌ国際映画祭批評家週間グランプリを獲得する快挙を成し遂げた。出演は、これがが初主演作になるローラ・ネマルクと「マルセイユの恋」などのベテラン女優アリアンヌ・アストリッド。
17歳のクレール(ローラ・ネマルク)は望まない妊娠をして、親友のリュシルとの手紙のやり取りで孤独と不安を紛らしていた。医者からは、出産費用は無料で産後すぐ養子に出す制度・匿名出産を薦められていた。クレールはスーパーのレジ係として働きながら、小さな一間の下宿で黙々と刺繍制作に打ち込んでいる。同僚から意地悪く「太りすぎじゃないの」と言われ、思わず「癌なの。薬の副作用よ」と嘘をついてしまった。週末に帰省したリュシルに会いに行くと、家にはリュシルの兄ギョームがいた。友人のイシュハンとバイクに2人乗りしていて事故に遭い、ギョームは顔に大怪我を負い、イシュハンは亡くなった。ギョームは仕事を辞め、3年ほど外国に行くつもりでいる。リュシルの母親に「アトリエに行って元気づけてあげて」と言われたクレール。イシュハンの母親、メリキアン夫人(アリアンヌ・アスカリッド)は刺繍職人で、クレールは1年前にアトリエを訪れたことがあったのだ。髪をまとめてターバンを巻いたクレールは、自分の刺繍作品を包んでメリキアン夫人のアトリエに行く。陰鬱な表情で戸口に出てきたメリキアン夫人は「ミシンは使える? 資格はある?」と問いかけ、「急ぎの仕事があるから明日また来て腕試しをして」とだけ言われて戸は閉まった。翌日、どうやら合格したらしいクレールは、アトリエに通うことになる。スーパーには10日間の欠勤届けを出した。メリキアン夫人は高名なルサージュ氏から依頼された緻密な刺繍を制作中。ルサージュ氏の店で12年間働いた後も仕事を依頼されていて、ラクロワの仕事も請け負っているという。ともに寡黙なクレールとメリキアン夫人は無駄な話は一切しない。夫人はクレールのお腹のふくらみに気づくが、何も口に出さない。クレールは夫人の刺繍作品に見とれ、自室に帰ると自分の作品づくりに没頭する。だが、アトリエに通うようになって2週間ほどたったある日、クレールはアトリエの床に倒れている夫人を発見する。自殺を図ったようだった。救急車で病院に運び一命をとりとめるものの、夫人はクレールの面会を拒否し、看護婦にお金の入った封筒を託していた。夫人になじられながらもクレールは見舞いを続け、夫人がやりかけていたルサージュ氏からの依頼の作品を仕上げていく。ある日、ギョームも一緒に病院を訪れ、帰りの車の中で2人は互いに惹かれあっていることを感じとる。完成間近になったルサージュ氏からの依頼作品を、クレールはふとした拍子に裂いてしまう。大変な失敗をしてしまったと青くなって病室を訪れたクレールを見て、夫人は思わず笑い出す。「大変なことよ…でも直せるわ」。ある日、母親が下宿の戸口でクレールを待ち構えていた。スーパーを訪れて初めて娘の休職を知ったという。クレールはわざと母親にふくらんだお腹を見せつけても、母親はまったく気づかなかった…。退院したメリキアン夫人に、クレールは黒地に白いスパンコールを縫い付けた手製のショールをプレゼントする。上品でゴージャスで個性的な仕上がりに夫人は驚き、心から感激した表情を見せた。クレールが夫人のアトリエで眠り込んでいた深夜、夫人がパリから戻ってくる。ラクロワから依頼が来てパリに行ったのだった。クレールが作ったショールをラクロワに見せたという。「デビュー作から評価されるのは稀なことよ」。希望と絆がやがて二人の間に生まれ育っていくのだった。

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