書棚整理していたら故:万澤康央(バイクジャーナリスト)さんから戴いた書籍や資料が出てきた。彼が住んでいた東京吉祥寺時代のもの。

そのひとつが「ホンダニュース」。言うなれば新製品ニュース。

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「ホンダニュース」に相当するものは初代モンキーやCB750フォアの時代に始まりました。そのほとんどを私も持っているので、これについては捨てようかなと思いつつ、よくよく見たら万澤さんらしい書き込みがいくつかありました。そのひとつが「TLR200」という車両です。

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3ページ構成の1ページ目

写真のライト周りには「1°36 スランテッドアングル」という書き込み。クルーザー系でもよく使う操舵バランスを確保する手法です。

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2ページ目

アンダーガードはXL200ベースとかリアショックは倒立型。ロッド径はTLの10φに対して12.5φでしかも低速域でのショックの動きをスムーズにするためガス圧を低めの7kg/㎠に設定。タイヤはダンロップ製だがミシュランに近く、価格は半値で競技用タイヤもあるとメモ。

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3ページ目

フレーム重量が塗装状態で6.8kg。50ccクラスでも8kgある。MAX7300は最高出力のところに書いているからレッドゾーン回転数の意味か。

彼は日本のトライアル黎明期からやってきた人なのでとりわけギヤレシオに関心があったようです。

変速機形式の欄には前側のドライブスプロケットが13丁、リアのドリブンスプロケットが44丁の書き込みで、2次減速比は3.3846。

フロント9丁、リアが48丁では5.333と書き込んでいる。

かなりショートな設定(低い速度に適し、急斜面を登るのに最適)。

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STDは11.2822

MAX17.7777と書き込んでいいます。

以前はいろいろギヤレシオなどは計算して楽しんでいた私ですが久々にこんなものを見ました。

1次減速比の3.333に2次減速比5.333を掛けると17.7777という数字が出てきますし、

STDでは3.333掛ける3.3846で11.2822となりますけど、イマドキのトライアル車で計算する人などいないのではないかな。

 

追記:STDの11.2822は最終減速比の意味です。

エンジン側の1次減速比

エンジンの駆動力を後輪に伝える2次減速比

そのふたつの比を掛け合わせて最終減速比となります。

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ということで万澤さんの手書き文字って、こんなんだったのか。

と、あれこれお世話になった故人を偲んでいます。

デジタルデータだけでは到底知ることのできない「書き込み」「落書き」って、なんだかとても大事に思えてきます。

 

なお、3枚のホンダニュースの2枚目だけを掲載します。

 

ps:

KRSという私のスクールではバイクの安全運転だけでなく、機械的理解と乗る人の骨格・筋肉・特性を踏まえたアドバイスも行なっています。