2つのphase 3の試験結果が報告されました
Lancet Oncol 2019; 20: 339–51(ABCSG 18)
Lancet Oncol 2020; 21: 60–72(D-CARE)
前者はpositive、後者はnegativeデータです
まず前者から
もともとABCSG-18は閉経後でAI使っている人にdenosumab 60㎎(プラリア)を半年毎使ったら骨折が減りますよという試験でした。
ゾメタ同様、骨微小環境の改善は乳癌再発を抑制するという理論の元、
ゾメタでもいいならdenosumabでも大丈夫だろっていう考えです。
年齢は半数が60台、腫瘍径はNACで完全奏効した人+T1が7割、リンパ節転移も同様に7割陰性です。
Early stageが多いのかどうかどうもわかりにくいですが、NACしている人は全体の5%程度なので割とearlyと考えて良さそう。
Adjuvantの化学療法は2割に入ってます。まあ7割ほどが化学療法不要なレベルだったと。
T-scoreは-1.0未満が45%と半々くらいです。
ちなAIは5年間内服です。
結果を見るとDFS(局所再発、対側乳癌、遠隔転移再発、二次癌(in situ含む)、死亡)が、
HR0.82, p=0.0254で有意差を持ってdenosumab群が良好でした。
じわりじわりと開いていっています。
Eventの起こり方としては局所や対側乳癌の発生は同等で、遠隔転移再発に差があったようです。
サブグループでは60歳未満、ランダム化までにAI使用歴なし、ER+/PR+の人たちに特に有効性が認められました。
limitationとして、DFSがprimary endpointでないこと(ただし患者さんのmakingが解除されてもcross overした症例はさほど多くなったようであまりDFSに影響していないそうです)。また基礎的にはDFSを抑制する機序はわかっていないことが挙げられていました。
なかなかよさそうなデータに見えますが…後半に続く。