業務上疾病と認定されるためには、業務と疾病との間に因果関係が必要であり、業務上災害として労災補償対象となる疾病とは「当該業務に起因して発症した疾病」をいいます。つまり、労働者本人の罹患した疾病と本人の従事した業務と間に当該業務の遂行に起因して発症したという相当因果関係が必要となります。


1 災害性の疾病


2 職業性の疾病


3 その他業務に起因することが明らかな疾病(過労死、過労自殺等)

過労死新認定基準(平成13年.12.12基発1063号) いわゆる時間基準・・行政側の通達として、「発症前1ヶ月間におおむね100時間または発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強く評価できること」とする時間基準が出されました。


さらに、厚労省は、働きすぎや仕事上のストレスが原因で、うつ病や心的外傷ストレス(PTSD)などの精神障害の後遺症が残った人に対し、労災認定基準を設定して補償することを決め、都道府県労働局長に通達しました。(平成15.8.8基発808002号) 平成11年に厚労省は「心理的負荷による精神障害に係る業務上外の判断指針」を発表しました。この指針がだされた背景には、バブル崩壊以降の職場を取り巻く環境の激変から、超過密労働、超長時間労働が職場に蔓延し、過労による精神疾患を発症する労働者の増加と過労自殺の増加が社会問題化し始め、訴訟が増加したことが考えられます。