柚子は匂ひ亡き人の笑み蘇へる

季語(晩秋)・柚子

色合いもよく香りもよく薬効力もあって、日本食には欠かせない「薬味」である。

山間の日当たりの良い斜面には広い柚子の畑があって、村人がそれを長く守り伝えてきた。

柚子が黄色に色づくと、村の爺婆たちがみんな笑った。皺くちやだらけの顔だった。