準備は済んでいた



何時でも行けるように



戻ってこれないことも考えて



身辺の品物は



全部処分し



ベット のみが


ある部屋で



ボクは



静かに時を待っていた



さほど待たないうちに


呼び出しは 来た




あのおじいさんから



コンタクトがあり



着替えの生成り色の



貫頭衣が 突然空間から



降ってきた



それに着替えて



「すぐここへ来るように・・・」



「えっ どこへですか」



思わず ボクは


声に出して聞いてしまった?



そうだ思うだけでいいんだ


するとおじいさんは 「はっはっは」


笑いながら


「そうだ・・・そしてその杖に念じれば


ここに来れるのだ」


そう 伝えてくれた。





ボクはその貫頭衣に着替え


ベットの上で小さな杖を握り


念じた・・・あのおじいさんのもとへ



次の瞬間 ボクは 見知らぬ広い


白い部屋にいた



会議テーブルのような


白い大きな机が真ん中に


どーんとあり


周りに人が大勢 座っている


前方の真ん中に


あのおじいさんが居た



「おお 来たな これでメンバーは そろった」



「お前が最後だ まあ 座れ」



そういって あいている一つの椅子を


指し示した



例のふわふわした白い椅子だ・・・



「諸君 よく集まってくれた」



「わしは この管理委員会の議長をしている



コンドだ 管理委員会は この宇宙のすべてのことを


コントロールしている


そのメンバーは ここにいる11人だ


この星はファイザー 父なる星で


銀河の中心にある



人類は発生してからすでに25億年も続いているが



既に無くなった文明が多く


これからの文明は未だ遠い先になる


今活動できるのは 地球文明しか 無い



それで諸君に今回の危機を回避するために


来てもらったのだ」


ここで議長は一息ついた


会議室は漠として咳払いもなく静かに


議長の次の言葉を待っている



「さて 今回の危機だが われわれ人類の発祥の地


マザーという星の恒星系が 今危ないのだ


やがて隣の宇宙と接触する・・・このことは前に予感されていたことだ


が、展開が少し早くなった。


我々の宇宙の他にも別の宇宙が数多く存在することは


前に説明したが、その隣の宇宙は手の付けられない


暗黒星雲の巣窟と化していた・・・このことは我々の予想外のことだっ


た。


既にその恒星系の一部は隣の宇宙に飲み込まれてしまった。」



「それで諸君の役割だが・・・まあその飲み物を飲みなさい」


言われてテーブルの上を見ると いつの間にかオレンジ色の


液体が入ったコップが77人と11人の管理委員会のメンバーの前に


おいてある・・・あれ何時の間に? 少し会議場がざわついた


「不思議に思ってるな・・・ははは 念ずれば こうして用意できるんじ


ゃ♫・・・乾杯だ・・・この飲み物はパワーが出る そして食べなくても


一週間は大丈夫になる」


「今回の仕事は たぶん一週間くらいで対策出来るじゃろ」


議長はそういった。


「さてその方法とは 破れたバリアーを修復することだ・・・今回はその


破れたバリアーから 隣の宇宙が侵入してきた・・・いくつかの星が


消え失せたが…接触はまだ先だ だから本格的に接触する前に



バリアーを補修すれば 隣の宇宙との接触は回避される


隣の宇宙も 我々の宇宙も接触コースから離脱できる。


その方法だが77か所の破れが見つかった・・・諸君には一人一か所の


補修をしてもらう・・・我々管理委員会はそれぞれ7人のメンバーの


指示を現場で行う。


具体的にはその指示で動いてもらいたい。


その小さな杖はパワーエネルギーが思念力の1万倍まで


高められる・・・現場についたら その杖を破れたバリアーの穴に


かざし 思うだけでいい 穴よ塞がれと・・・そうすれば杖から


思念のパワーが穴に到達して 穴を瞬時にふさいでくれる。


危険は何もない・・・ただし77人が一斉に 穴に向けて思念のパワーを


送ることだ・・・タイミングがずれると ほころびが出て 一か所でも


破れたら 全部水の泡になる・・・タイミングはわしがいまだと合図する


から 遅れないようにしてほしい。」



「説明は以上だ・・・何か質問はあるか」


全員首を横に振った・・・了解のサインだ♪


「ではすぐに出発する・・・場所はメンバーが教えるが



なに迷うことはない その杖に位置は仕込んである


思念を込めるだけで諸君の各自の位置へ到達できるだろう


終わったら 再びここへ帰ってくる。そのあといろんなことは


話して聞かせよう…では諸君の検討を祈る。」


そういって議長の長い説明は終わった。


ボクたち地球人は みんな顔を見合わせて


ふーっと ため息をついた。





さて・・・結果は  大成功だった ♪ ボク達は 無事やり遂げた。


バリアーは見事復活して穴は塞がって 危機は解消できたのだ。


隣の宇宙から我々の宇宙は守られた。


さてこれからわれわれ人類の今までの歴史を学べる


素敵な時間がやってくる・・・



おわり      美春 花村 2014.3.16 脱稿

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