ある年の春
桜色の海を見た
公園の片隅に
ひっそり咲いていた
ソメイヨシノの大木の
根回りは
まるで海のように
桜色の
まあるい海が出来ていた
じゅうたんと表現するには
あまりに広い範囲で
地面がピンク色に染まっている
うちは 感動のあまり
思わず泣き出していた
後から後から
涙が止まらない・・・
そして・・・
ある年の秋
今度は
金色に輝く
黄色の海を見た
それは銀杏の樹で
やはり根元が
まあるく 海になっている
おおげさじゃなく
黄色のじゅうたんというよりは
やはり海なのだ
感動のあまり
うちは言葉を失い
ただ見つめていた
日本の四季は
美しい
こんな出会いが
有ることが
とても幸運で
滅多にないことだ
いつでもこんな光景に
逢うことはないけれど
二度の海で
うちは
生きている喜びで
感動していた
写真は取れなかったけど
その光景は
心の中に
焼き付いている・・・
桜色の海と黄色の海
ありがとう・・・