降りてくる 二人の男女は 背中に大きな ザックを背負っている


時々立ち止まって 女性の方はカメラを男性の方はビデオカメラを


あちこちに向けて撮りながら 歩いている


立ち止まって 二人で話をしているみたいで


なかなか 下まで 降りてこない


話がまとまったのか 撮影をやめて また 降り始めた


やがて集落の皆が 集まっている前に 現れた


こんにちは こちらは花の村の集落ですか?


女性の方が 話しかけてきた・・・なかなかの美人である


源爺さんが ああそうだよ・・・と 皆を代表して答えた


ふたたび女性が…私たちはC市のC中央テレビの記者と


カメラマンです・・・こちらがカメラマンの二階堂くん


わたしは記者の佐伯 圭子と申します。


こちらへは 取材で お伺いしました・・・と名刺を差し出した


へえ こんな村の何が 知りたいのかね・・・


源爺さんが また 聞いてみた


すると 今度は二階堂カメラマンが・・・実は噂でこの村は


別名がほっこり村というんだと 聞いたもので 猛烈に


村に来たくなったもので お伺いしたんです・・・といった


それにしても 良いところですね…生き返るようだ


と 本当に感動しているような 顔をした ・・・


集落の皆は・・・へえー そんな噂になってるんけ


とびっくりしていた。


源爺さんが・・・それにしても あんたたちどうやつて 後ろの山から


来れたんだ・・・とさっきから気になっていることを 聞くと


佐伯記者が ああ それですか・・・C市から此処へは 権現山の山頂から


尾根伝いに縦走してきたんですよ・・・道がないので 猛烈な藪こぎで


苦労しました・・・権現神社の御祭礼があり その取材をかねて


こちらの村の取材もと 欲張ったもので 昨日着く予定が


大幅に 遅れてしまいました。


源爺さんが・・・ふうーん 良くこれたなぁー 後ろの山は確か 向こう側が


岩場の断崖絶壁になってるはずだがのぉー


そう言うと・・・二階堂カメラマンは・・・ええ そうなんです・・・でもこのザイルがあった


おかげで 岩登りを久しぶりにしました・・・と 日焼けした顔から白い歯が


こぼれました。


まあ そんなら・・・とりあえず集会所の 食堂で お茶でも飲もうや


源爺さんが 案内して 二人を 招き入れました。



まだ このお話は 長いので あす以降に 続きを書きます。 今夜はこれまで お休みなさい 美春