あなたにはじめて 出逢ったのは


ある年の夏の終わり


出逢った瞬間に ふたりは 恋に落ち


同棲を始めた


あなたは 売れない童話作家


わたしは やっぱり売れない詩人


一緒にいるだけで 幸せだった


あなたの世話をするだけで


ほんとに幸せだった


貧しくても 温かかった


あなたのぬくもりが


やさしかった


こんなに早く


あなたが 逝ってしまうことなんか


想像もしていなかった


もつとずっと あなたとの愛を


紡いでいたかったのに


あなたは 桜の木の下に


眠っている


いや 遠い星の世界で


遊んでいる


時々わたしの 夢の中に


帰ってくる


わたしは 桜の咲くころに


桜の花の下の


あなたの御墓に


お参りをする


もう遠い 恋紬だけど


今でも これからも


わたしは


あなたとの愛を


紡いでいくだろう


本当は あなたは 縦の糸


わたしは横の糸


あなたは金の糸


わたしは銀の糸


ずっと紡いで


いたかった・・・


あなたがいなければ


織れない・・・恋紬