遅い春に
やっと満開になった
桜の花に
雨が降っています
風が当たるたびに
どこかに舞っていく
花びらに
濡れたアスファルトの
舗道にへばりついてしまった
花びらに
それでも枝に
しっかりしがみついている
花びらに
生命(いのち)の哀れを
感じます
花の残りを
全部かき集めて
この部屋を
一杯にしてみたい
寂しさが心の中に
あふれてくるから
疲れて
ふと立ち止まった
人生の
ひとときの
安らぎとして・・・