Lucrecia MartelとBjörkが監督し、James Merryを共同演出として迎え入れ制作された作品で、2019年春、NYのThe Shedで行われたワールドプレミア公演にてその幕を開けた。
ステージデザイナーのChiara Stephenson が生み出す環境デザインの中にメディア アーティストTobias Gremmler が創作するデジタルビジュアルデザインが映える。
NY誌はこれを「街のステージを飾る最も素晴らしい光と音の展示」と呼び、The New Yorker誌は「ファンタジーを変遷するための武器」として表現したビョークを称賛した。
Björk自身の音楽を今まで以上に深く掘り下げ追求したコーニュコピアが日本でも遂に披露される。

 

 

遂に披露されましたよ、日本で。

 

本当に本当に、素晴らしかった。

とんでもないもの見れた 誰もがそう、口にするであろう出来事だった。

 

 

まずはセトリから。画像はすべて公式のスクショです。

 

コーラス隊によるPrelude
Intro:Family

The gate

Utopia

Arisen my senses

Ovule

Atopos

Show me forgiveness

Isobel

Blissing me
Arpegggio

Body memory

Hidden place

Mouth’s cradle

Features creatures

Courtship

Pagan poetry

Losss

Sue me

Tabula rasa

Future forever

Notget

 

 

Family

 

how will I song us

out of this sorrow

 

The gate

 

my healed chestwound

transformed into a gate

 

ビョークが前作valnicuraで表現をした、胸の痛々しい傷が癒えた。

Arcaに恋をしたことで。

 

このcoruncopiaを始めるにあたって、

introのfamily (どう歌えば この悲嘆の世界から抜け出せるだろうか)

を経て、この歌から始まることは、絶対的に必要なのかもしれない。

 

そも、この「コンサートというビョーク作品」を、表現することは、彼女にとってどのような作用があるのだろう。

MCをほぼせず、歌に没頭する。歌というか、音楽と映像と「何か」を第6感に訴えかけるような。

ついでに、環境保護的なメッセージものせて。

 

Utopia

 

utopiaまでが序章っていう感じ。静かに厳かに。

神秘的なヴェール(視覚的にも簾がかかったままだし苦笑)のまま、ソレは始まった。

 

 

こんな感じでステージに簾(笑)がかかっていて、そこに映像を映すんだけど、序盤ビョークはなかなかこの簾の外に出てきてくれなかったんだよね。

 

あー、衣装死ぬほど可愛かった。

ついでに衣装の話。

ジャンバティスタバリかなと思ったら、今回もkeininomiyaでした~。相性ピッタリ。

 

 

中に着てるインナーが

 

 

真っ赤なレザーでこれは同ブランドじゃないかも?あと厚底のシューズもどこのだろうね。

 

 

Arisen my senses

 

utopiaからファーストソング。

あんまり声高に言ってこなかったけど、この曲、大好きなんだ。

もう、これが鳴り出して―

―ハープの音色とビョークの「(a) just that kiss」の1フレーズで、涙が溢れ出して、、、

今思い出しても、泣いてしまいたくなる。

 

全てが完璧で。

なんだこれはって、混乱してしまうくらいに、視覚・聴覚以上の何かが会場全体に一気に放出された。

 

それはおそらく、ハープの響きがあまりにも素晴らしかったのもあるだろうと思う。

 

それと、これ以降ずっと感じたんだけど、ビョークの歌唱がものすごかった。

この日のステージングには、先日のorkestralには感じなかったものが込められていた。

 

喉の調子がいいのかな?と最初思ったんだけど、なんか、今までにないくらいのほとばしるものを感じたんだよね。

あれが、私の中の混乱を呼び起こしたんだと思っている。

 

とにかく素晴らしかった。

以降のセトリ詳細もういらんくらい。

あんまりにも素晴らしすぎて、これ以降、arisen my sensesCD音源聴いてない。

上書きできずにいる。

 

やっぱねー、ビョークは可愛んだよ。

可愛い。

ずっともう、可愛いっていう気持ちで・・・当時の、ビョークの恋をした情感がこの歌を何倍も素晴らしいものにさせていたと思う・・・ていうか、もしかして、ビョーク今恋愛してるのかな?って思った。Arcaとはないだろうけど。そこからもしかして?

 

Ovule

 

arisen~でもうすでに感情がエラいことになってたのに、すぐさまこれやるからさー、「ええ・・・???」ってつい声に出たよ。

そうです。fossoraからやってくれたんですよ・・・涙

久々にこのMVも好きなんだよね、アレッサンドロ・ミケーレの真っ赤な衣装をまとって、ビョークがキュートに歌ってる。

アレッサンドロはグッチ辞めてどこでやるんだろうなー。

 

エレクトロなんだけど、トランペットみたいな金管楽器のファンファーレみたいなのを繰り返していて、とても力強くてテンポもアガるのがまた良いなっていう。

 

Atopos

 

また泣くわ、続けてコレやられたら。

とびきり可愛いビョーク。fossoraのファーストソング。

 

新しいアルバムが発表される!っていうワクワクに見事に応えたatopos。ビョークは衰えたりなんかしない。

いつだってチャレンジャーだと思わせられたこの曲もやってくれるとは。。。

そして、脇にトモコイズミだとすぐにわかる衣装を着た人がちょいちょいと踊ってて「え、誰?可愛い」とつい見てしまった(笑)

どうやら彼の正体はKasという人で、atoposのMVでもジャージ着てる男性だと思われる。

ビョークは「カズ」って呼んでた気がするんだよな。

 

 

この彼です。

 

kasimynとインスタでは表記されていて、おそらく「カシミン」というインドネシア?のアーティストではないかと思われる。

主にビートをfossoraでは担当したみたいで・・・違うかもだけど。

 

いやー、一気に盛り上がった、可愛いし。

 

 

Show me forgiveness

 

ビョークが歌い終わりにスタスタと、ステージにある「小屋」に入るから、「え、何、可愛い」(←脳やられてるから可愛いしかもはや言葉が出ない) と思ってたら、その小屋はただの可愛いステージではなく、音が反響して独特な音色に変換してくれる小屋だった。

 

いきなりアカペラでマイク通さず歌いだすから「はあ・・・?」ってもう感情の混乱が収まらなくって、これ以上私をおかしくさせないで???って願ったほど(笑)

 

medullaからのこの曲は、「dancer in the dark」製作について振り返った曲ならしい。

私に許しを与えたまえ とは、一体に何に請うているのだろう。

―というのも、ビョークは、アイスランド人は、神ではなく「自分を信じる」。

歌詞の中にも、自分を信じることを怠って、負の力に明け渡したという自戒をそのままに歌っている。

 

なんでこの曲をセレクトしたのかも興味深かった。

 

 

Isobel

 

わーい、またイソベルだよー!

orkestralの時と全然違う演奏で、なんかすっごい盛り上がった。

 

 

ハープにもやられたけど、ずっとフルート隊の皆さんのパワーにもやられっぱなしだった。

こうやって、ビョークと相性抜群の振り付けでずっと踊りながらフォーメーション変えて演奏してくれるから

「そうか・・・ユートピアはここだったのか・・・」って、もう、極楽浄土来たような気分だったよずっと。

(自然に拝んでた)

 

Blissing me
 

utopiaからの一曲。

またまた変化球。

水槽と桶?で水の音を演出で使い、その美しい楽曲に彩を添えていた。

 

Body memory

 

utopiaの中でも曲調はどちらかというとvalnicuraっぽい。

それに、歌詞もutopia世界でふわふわとした恋するビョークが一転、生々しい。

怒りにも似たような、力強さを感じた。

 

で、見たことないMV?なのか、このcornucopiaのためにつくられた映像なのか、棒人間に近い人間たちが集まったり散らばったりみたいな映像が流れてて、なんなんだろうって思ってた。

重低音とビートがめちゃくちゃ激しくて、ヒリヒリと身体中を駆け巡る。

本当に一曲一曲がものすごい熱量を持っていて、座ってみているのが不思議なほど。

気を抜くと倒れそうなほど圧倒された。冗談抜きで。

 

Hidden place

 

なんとなんと、アイスランドのコーラス隊ではなく、今回は日本の声楽隊?を起用したみたい。

そういや前座的に3曲くらい歌ったことをログしなかったけれど(汗)、こことmouth's cradleで大活躍。

最初ドキドキしながら見てた。なんていうか、だ、大丈夫?って感じで。

コーラスがめちゃ重要な旋律のこのvespertineからのファーストソング!

これも好きな曲~!

ビョークめっちゃテンション上がったのか、後半のアレンジものすごかった涙

 

Mouth’s cradle

 

続けてmedullaからのこの曲に入って、私は・・・「ああ・・マジか・・・」と声に出た。

こちらももちろんコーラス隊が重要だし、大きな愛に似た憎悪のようなものを孕んでいて、それを表現するためにはすべてが一体化していなきゃダメだと思っていて。←個人的解釈。歌詞自体は愛なんだけど。

 

いつも集中したいときに聴いてる曲なんだけど、トリップするっていうか、本当に異常なほどに良い楽曲なんだよね。

で、神がかってるっていうか、ゾーンに入ってるというか。

hidden placeでちょっぴりだけもたついてた気がしたんだけど(いやあれはリズム取り辛いだろうし、めちゃ難しかったと思う)、また胸がいっぱいになって泣いてしまうほどに良かった。

 

Features creatures

 

一切速度を緩めずずっとアクセル踏み倒してる感じ。

ビョークがまたまたあの小屋へ。フルート隊の皆さんが掃除機のチューブみたいなのを振り回し始めて(笑)(←正式名称なんやろ、あれちゃんとした楽器なんか?)

 

この曲もutopiaの中で好きな曲。

歌詞もこんなに神秘的な音色の楽曲なのに、歌詞は「あなたと同じ背丈の人が~」と、完全にArcaのことを歌っていて恋しているいじらしい歌になっている。(と私は解釈)

終盤の旋律がおとぎ話が終わるかのような余韻で好きなんだ。

 

Courtship

 

utopia からの一曲。

またまたフルートが響き渡る華やかなテンションへ。

 

Pagan poetry

 

いきなりクライマックス「I love him」から歌い出すから何事かと思った。

そして繰り返しの中でハープが奏でられて・・・いや、全身に衝撃が走ったというか。

 

こういうアレンジで来たか!っていう。

一番オーディエンスの声も大きくなった。(なんか皆悲鳴っていうか、同じ気持ちだった気がする(笑)感情がもう混乱しまくってるような感嘆の声っていうか)

 

Losss

Sue me

Tabula rasa

 

この3曲はutopiaでもアルバム通りの曲順。

いやー、畳みかけまくってくるのって、ありがたいんだけど、もうね、なんでこんなことやれるのこの人。

いや、ビョークはやっぱり人間じゃないのかな。でも、恋するし、普通の人間なんだよね?え?やっぱり超人類??

 

みたいな、思考がもう、そんなことさえ考えながらステージを見入ってた。

 

 

Future forever

Notget

 

アンコールでこの2曲をやって終了。

future forverも美しいutopiaの世界観そのままに、ようやく心が落ち着けたというか、本当にしんみりっていうか。

notget好きだね、orkestralでもやった、valnicuraの楽曲。

 

そして、最後の最後でkasがひょこっと挨拶?に出てきて可愛かった(笑)

 

 

いやー、放心状態で帰りましたよ最後。

なんてものを観させられたんだ私は、と。

 

こんな体験、もう二度とできないかもしれないっていう。

オーディエンスは、20代の人もいたかもしれないけど、やっぱり目立つのは中年の男性・・・。なんとなく。

チケット代がものすごく高いし、ビョークっていうアーティストのファン層がそうなのかな?とは思うけど、この体験は20代の人にも知ってほしいと強く思う。

 

最新のテクノロジーと、以前からあるものをうまーくミックスして、そして唯一無二の歌声でパフォーマンスできるアーティスト、なかなかいないよ。

衣装も演出も、すべてが作品。

ライブDVD出ないかな、この時の音源本当に残したかった。

 

生きててよかったな、と思いました。心から。

 

 

あと、ツアーグッズ!

 

念願のdebutTシャツ買えた・・・号泣;つД`)

 

思ってたよりアイボリーというか、色味が白じゃなかったのがあれ?って感じだけど、ついに買えてしまった。

そして、トートバッグがめちゃくちゃ使いやすくて通勤に使っております・・(助かる~)

 

 

 

今後何を生きがいにしたらええものか、という鬱状態と、仕事環境が激ヤバでかなり落ちてるんだけど、本当に2公演行けて良かったなあという余韻がいまだに残ってる。

 

ビョークにはこれからもずーっと、ずーーーーっと歌を歌い続けてもらいたいな。

 

 

coldplayがもう曲出さない宣言してるじゃん?今後はもうライブ活動しかしない的な。

そんなこと言っちゃうんだ、って思った。

ビョークは死ぬまで音楽作る宣言してたけど、本当にアーティストってそれぞれだなぁ。