愚かな私は気がつかなかったのです

愚かな私は気がつかなかったのです。
私が生まれた時には、私は泣いていた事を。
何が苦しかったのか嫌だったのか、覚えていません。なのに、私の周りの人はみんな笑っていたようです。

愚かな私はやっと考えるのです。
私がこの世を去る時は笑っていてやろうと。
何がそんなに苦しいのか嫌なのかわからないけど、私の周りの人は泣いているのでしょうか。

愚かなる世に生を受け、愚かな暮らしを送るのです。傷つけた誰かや台無しにした何かは、すべては愚かなるが故なのでしょう。
生まれた時から泣いていたんだから。
人は誰も、泣いていたんだから。

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