エイリアンやグラディエーターの監督で巨匠リドリー・スコットが、新たな人類の起源を提起した。
冒頭のシーン。白い肌をした巨人が、大きな滝の上流に立っており、空には巨大な円盤が浮かんでいた。その巨人は覚悟を決めるように、手に持っていた何かを開き、中身を飲み干した。それを確認した円盤は立ち去り、巨人は苦しみながら滝つぼへと落下していく。同時に、DNAがちぎれて粉砕し、それはその水に溶け込んでいく。
2089年、スコットランドのスカイ島で発見された、3万5千年前の洞窟。その中には、巨人が星を指し示す壁画が描かれていた。しかし、実はこの壁画はスカイ島だけではなかった。エジプト、マヤ、メソポタミア等の太古の遺跡からも発見されているのだ。考古学者のエリザベスは、これはただの壁画ではなく、招待状ではないのか。そしてその星には、エンジニアがいるのではないか。そのエンジニアとは、地球人類を創造したものではないかと考える。
2093年、ウェイランド社が2兆円以上の投資を行った宇宙探査船「プロメテウス」。2年以上の年月をかけて、招待状に刻まれた星を目指してやっていた。冷凍睡眠カプセルから目覚めるクルー達。その世話をしているのが、デービッドという名前のアンドロイド。彼は、クルーが眠っている間も、一人でその世話をしてきた。一人でバスケをやり、一人でテレビを見て、一人で映画を楽しむ。だが、すべてやりつくしていた。アンドロイドに退屈の感情はない。世界中のさまざまな言語をマスターしていた。
さて、到着した星の大気圏に突入した。1万6千メートルを超える山々が立ちふさがる中、生命反応は観測されなかった。しかし、彼らがそこにみたのは、神殿のように聳え立つ丘と、そこへつながるまっすぐな直線道路のようなものだ。これが、人工物でなくてなにか。かれらはその麓に着陸して、探査を開始する。
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丘の中は空洞になっており、複雑に通路が入り組んでいる。通路の奥で彼らがみつけたのは、巨人の死骸だった。しかも頭部がない。壁の壁画を見ていたデービッドが、いくつかの石を操作すると、扉が開いた。そして、影のような数人の巨人が走り出してきたのが見えた。扉の向こうには、巨人の頭部だけでなく、丸い筒のようなものが数千個並べられ。巨大が人面画が彫刻されていた。「何も触れてはいけないわよ!」とエリザベスの注意が飛ぶ。が、デービッドが円筒の表面に触れてしまった。そこは変化し、有機物と思われるネバネバがあふれ出していた。その時、外では大きな二酸化硝石の嵐と、電磁波の嵐が向かってきていた。このままでは危険だ。彼らは巨人の頭部と、円筒を一本もって、出口へ向かう。
プロメテウスにたどり着いたエリザベスは、早速頭部の調査を開始した。電気ショックを与えてみたところ、反応があった。更に電気ショックを与えていくと、突然頭部は爆発を起こした。その爆発した残骸のDNAを分析したところ、驚くべき発見があった。そのDNAは、まぎれもなく、地球人類のDNAと完璧に一致したのだ!
その頃、探査チームと別行動をしていた二人の科学者が、何者かに次々と襲われて連絡が途絶えた。
嵐の後、再び探査に訪れたクルーは、そこに科学者の変わり果てた姿を発見する。また人類学者のホロウェイが、突然の体調不良に襲われる。さらに、エリザベス自身の身にも、生物学的にありえないことが起こる。そして彼女が自らの胎内から取り出したものは!
息もつかせぬサスペンスの連続、驚きの展開。飲み物を飲むのも忘れるくらいに、席のてすりを握り締め、アドレナリン全開で食い入るようにみてしまう。スコット監督の場面へのこだわりは詳細で、前作のシリーズを凌ぐほどの細かさだ。さらにCGを多用したそのサイズ感。動き始めた異性人の船。彼らの意図は何か。なぜ人類を創造しておきながら、このような悪魔の星を作り、そこへ人類を導いたのか。謎は謎をよび、アクションはアクションへと繋がる。
そして迎える、驚愕のラスト!う~ん、やっぱり!というか、そうなんだ!というか。
とにかく、この物語は、何らかの形で大きな物語の一部となるものであるのは、間違いない。
観るべし!
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