【読書18】ジーン・ワルツ 海堂尊 | なんのこっちゃホイ!

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帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた──。チームバチスタの海堂尊が、生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む。

人工授精させ、代理母の子宮で育ちやがてこの世に生まれ落ちる。日本の現在の法律では、出産した者が戸籍上の母となり、精子や卵子の出処は無視される。この本を読むまで、染色体異常や遺伝子異常で正常に育たない胎児の確率がそれ程高いとは思わなかった。この小説でも、無脳症胎児や先天性奇形の胎児が登場する。堕胎を望む若い母親と言う事です思いとどまらせる医師。しかし一旦奇形と分かると、堕胎を進める医師と、出産を主張する母親。不思議な変貌であり合理的ではないが、どうやら母性の不可思議のようだ。クール・ウィッチと呼ばれる女医が、何故人工授精に拘り、代理母に拘るのか。医療倫理への挑戦か、医療技術の進歩を目指すのか。それは彼女の過去にあった。

色々考えさせられる本ではあった。
確かもう一冊、このテーマで本があったと思うが、続編かな?



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