【読書05】インドの鉄人 | なんのこっちゃホイ!

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世の中の、これでいいのか、こんなことでいいのかを描くブログ。そんなにしょっちゅう怒っていられないので、ほどほどに色々な話題も混ぜていきましょう。

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出張の前に、インドで読みたいと書いた本ですが、読み終わりました。ミッタル・スティールによる、欧州最大の製鉄会社アルセロールの買収。世界最大の製鉄会社になるのは間違いない。

この巨大プロジェクトに群がる人々。刻々と変化する情勢にPR会社によるPR合戦。ロビーストによる政治家への働きかけ。政府との調整。そして何よりも、アルセロールの株主説得。あらゆるメディアに登場し、自らの経営方針を訴え、いかに合併が双方の利益になるかを訴えるミッタル氏。「これはインド人による侵略だ」とフランス人の愛国心に訴えるギー社長。フランス人の閉鎖性が、あるインタビュー番組で、ギー氏にミスをさせたのか。「ミッタルはインドの会社ではありません。インド人の会社なのです。従って今回の合併を拒否しても、インドとの関係には影響しないのです」これが差別発言だとする世論を動かした。また彼が発した「モンキーマネー(わけの分からないお金)」という言葉は、様々な人々に影響を及ぼし、多くの人を不快にさせた。ここぞとばかりに責め立てるミッタルPR陣営。一方ミッタルは、ルクセンブルク政府に提出する事業目論見書で、問題を抱えていた。

この世紀の合併の結末は、皆が知る所だが、その過程における物語は、まるでミステリーを読んでいるようだ。

もう読み出すと止まらなくなりますよ。


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