秋晴れの素晴らしい日でしたが、二日続けて映画鑑賞です。
今日も妻と一緒に「笑う警官」を見てきました。
北海道警の巡査部長が、交番の中で自殺するところから、物語はスタートする。巡査部長は拳銃で頭を打ち抜いたが、かれの日報にはたった一行、「おれはうたっていない」とかかれていた。「うたう」とは警察用語で「喋る」とか「チクる」という意味らしい。
そして翌日、札幌のあるマンションで女性の絞殺死体が発見された。その女性は、婦人警官だった。大家からの通報を受けて、駆けつけた所轄の刑事に大して、北海道警察本部の動きは早かった。本部が担当するからと所轄は操作を外された。
北海道警の裏金疑惑がマスコミをにぎわしていた。道議会100条委員会の審問に、現役の警察官が招聘されて、証言するという。そんなことになると、キャリアの偉いさんは、大変なことになる。どうしても、証言するという現役警官を止めねばならない。どうやらこれが、冒頭の巡査部長の自殺と絡んでいるようだ。誰がマスコミに漏らしたのか・・・・
婦人警官殺人事件で、所轄である大通署の刑事佐伯は、「事件が事件だから」と担当を外された。しかもその後、道警本部が発表したのは、婦人警官殺しの犯人は同じ警察官の津久井であり、津久井を発見次第に、射殺せよという指令が出される。佐伯と津久井は、以前に潜入操作で組んだことのあるパートナーであった。何とか津久井を救おうと、佐伯とその有志仲間は、事件の真相を求めて、道警の目を盗んで捜査を始める。津久井の召喚まであと13時間。タイムリミットの中、次々と暴かれている警察の裏側。なぜ婦人警官は殺されねばならなかったのか。なぜ津久井は犯人にされて、射殺指令まで出されたのか。裏で糸を引いているのはだれなのか。
二転三転するドラマは、はらはら・どきどきの連続で、目が離せない。
そして、まさにあっ!と驚くラストを迎える。
小説は読んだことがないので、映画だけで見ると、なるほど良くできていると思う。まさに、一体誰が悪で、誰が良いものか、二転三転して誰も信用できない。警察組織の恐ろしさは、正義に裏打ちされた警察官としての使命と、その巨大組織故の腐敗。そして組織をスピンアウトすれば、もう食っていける道がないという、潰しの利かない刑事という職業。それ故の、腐敗と正義のハザマの葛藤。組織を守ることが正義か、正義を守るのが組織か。
手に汗を握る映画です。
ちなみに、帰りに第2作目にあたる「警察庁から来た男」を買ってしまいました・・・・