実は、近所のスナックにちょっとくたびれたおばちゃんとおばあちゃんの中間くらいの女性がよく来るのだが、彼女は駅の近所で、焼肉屋さんをやっている。そのお店はおばちゃんと同じでくたびれていて、いつも数人の常連さんが居座っていて、その人達は絶対に焼肉を食べずに、なんだかんだと喋りながら酒を飲んでいる。だから、ちょっと入りにくいんだ。
でも、スナックのマスターとのやりとりから、つい「じゃ、一度行きます」と言ったのが仇になっているようで、ずーっと恨み言を言われるのだ。「全然来てくれない」って。
それで家族、妻と次男を誘って焼肉を食べに行こうということになったんだが、いざそのくたびれた店の前にくると、二人が、「どうしてこんなくたびれた店で食べるのか」とか、「常連座っているから、入れない」とかブツブツ文句をいうものだから、仕方なく牛角へ。
なんにしろ、焼肉は人間を幸せにする食べ物だ。きっと人間の動物としての野生が蘇るのだろうか。ガツガツと食べてしまう。結構美味しくお腹一杯頂いたので、満足したんだが、どうもあの、つかれたひなびたおばちゃんが気にかかる。もう、スナックに行かなければいいんだろうけど、そうも行かないし。
悩ましい。