誕生日である。毎年やってくる行事ではあるが、だんだん感動も薄れてくるんじゃないかな。子供時代は、近所の友達を招待して、ちょっとご馳走をおかんが作って、プレゼントをもらい、ハッピーバースデーを歌い、ケーキのロウソクを吹き消して。
彼女ができる年になると、何だか友達と祝うのもはばかられ、彼女と2人で下宿で過ごしたり。それでも仲間がやってきて、やっぱり酒盛りになり、彼女との時間より、仲間を選ぶのが男らしいと思ったり。
女房ができて子供ができて、自分の誕生日より子供の誕生日が優先し、いつしか誕生日を祝うのが、恥ずかしくなり、時の経つのは止められないさとうそぶいて、チャラチャラと何が誕生日だと拗ねてみせる。
その内、何度目の記念日か自分でも定かでなくなり、指折り数えて、何かの間違いだとうそぶいてみたり。
そんな見向きもされなかった誕生日、9月7日に奇跡が起きた。発端は次男の一言だ。
『7月、バイトを結構頑張ったから、父ちゃんの誕生日に、のすけのラーメンご馳走するわ。』
何という麗しい発言。しかも、母ちゃんや兄ちゃんにもご馳走するという。ウルウルである。
そして、長男はバイトで欠席はしたが、とにかく牛角食べ放題コースを注文、久し振りに飲み、食った。みんな、ありがとう!
そして帰宅後、愛する妻がケーキを買ってくれた。僕は、甘いものは苦手だが、ありがたい。大きいローソクが5本と小さいローソクが1本。今日はもう、お腹一杯でとても食べられないので、ローソク吹き消しておしまい。明日、頂きます。妻よ!愛してるよ!

