「天使と悪魔」にも登場するが、ローマ法皇が死去した場合には、枢機卿団120名による選挙が行われる。枢機卿団の中から自薦・他薦を問わず、全投票数の3分の2を獲得すれば、次期法皇にめでたく選出される。
この選挙の有様を、数万人の信者は、サン・ピエトロ広場で待つことになる。投票が行われるサン・ピエトロ聖堂の煙突から、白い煙が立ち上るのを、ひたすらに待つ。
投票により、3分の2を獲得できない場合、何度でも投票が繰り返される。この時に使われた投票用紙はただちに暖炉で燃やされる。そして黒い煙が立ち上る。数万人の信者は、大いに落胆し、次の投票を待つ。
何となく有力な法皇候補が1名とか2名ならいいのだが、3名とか4名になった場合、3分の2を獲得するまで、延々と投票が続けられる。もちろん、妥協を求めた話合いは行われるようだが(ドアは封印された密室で行われるので)、何しろカトリック信者数十億人のトップを決める選挙だ。そう簡単には妥協できない。
こうして、何度も何度も、延々と投票は繰り返される。まさに、「根競べ」-「こんくらべ」-「コンクラーベ」である。
お後が、よろしいようで・・・・

