これは東京大学の鰻研究室のスタッフが、アフリカへ幻の鰻、ラビアータを探しに行くドキュメントである。
知らなかったが、鰻の生態は研究者の間でも知られておらず、謎が多いのだそうだ。
一般的にニホンウナギはマリアナ海溝で新月の夜産卵すると言われているが、見た者はいないし、証拠も発見されていない。
今回のチームは、アフリカに棲むというラビアータという珍種のウナギを求めてアフリカ大陸を数千キロの旅をする。これがもう、抱腹絶倒の珍道中である。
ネタバレするので細かく書かないが、とにかく貧乏なのである。
研究チームと言えば、ジュラルミンのケースをいくつもジープに積み込んで、立派なテントやホテルに泊まってという、ジュラシックパークを想像するが、さにあらず。バックパッカーよりひどい旅で、病や蚊や吸血成虫なんぞと戦いながら、幻のウナギを必死にさがしまわるのである。
ウナギに興味がなくても東大が嫌いでも、楽しく感動的に、あっという間に読み終えること間違いなしである。
お薦めです。