朝、9時の空港バスにたまプラから乗って羽田へ。
11時の便で伊丹空港へ。12時10分到着。
関西や!
空港バスに乗り継ぎ、三宮へ到着。暑い日だったが、おかん(お母様の関西弁)がバス停で待っていた。聞けば、1時間も前から来て待っていたらしい。ちゃんと1時にねと約束したのに、待てなかったらしい。だからといって、早く迎えにきたって息子は着くわけもないのだが、もし、万が一息子が早く着くことがあったら・・・などと思って、早く来て待っていたんだろう。胸がじーんとして、目頭が熱くなった。暑い日だった。
おうおう!いやいや!等と言い合いながら(どうしてこういう時の挨拶って、意味ない言葉なんだろうか・・・)そごうの別館、食堂街へ。ここは東京の高級料理屋が出展している高級な食堂街だ。間違っても食堂街と聞いて、JRの線路下なんぞを想像してはいけない。しっかり「高級」な食堂街だ。
まぁ、肩の力を抜こう。
おかんとは、「天麩羅を食いにいこう!」と約束していたので、銀座「天一」へ。
サラリーマンが接待でカウンターを占めていた。おかんと、「天麩羅は揚げたて食べないかんから、カウンター空くまで待とうや」ということで約40分待ち。何度も店のおねえさんが「申し訳ありません」と言いに来る。天麩羅職人まで出てきて「申し訳ありません。今、最後のかき揚げをお出ししてますんで、もう少々お待ちください」等という。丁寧な店だとおかんは感心していたが、僕としてはお茶とかビールとか、サービスでもってこい!それが関西の誠意っちゅうもんじゃ!これやから東京の店はあかんねん!と思っているが、気が弱いので口に出さない。
ようやく席が空いた。サラリーマン7人組、一番若手の40初旬男がやってきて、全員を代表してお金を払っている。8万円だと!何食ったんじゃ?領収書を3枚に分けろと言って聞かない。店は一回の御支払は一枚の領収書しか機械から出せない。手書きはないんだと、丁重に説明を繰り返しているが、どうしても分けろという。3枚がだめなら、4枚でもいいが、2枚はダメだとか、訳の分からない事を言っている。昔、僕もそんな大役をおおせつかったことがあり、この手の話の裏側は手に取るように分かる。会議費で落としたいのだ。1枚でこの金額では交際費になる。頑張れよ!サラリーマン!リーマン人生、大変やけど、話はよく聞けよ!手書きがないと言ってるんだから、無理なんやって!
さておかん。
「何を食べたい?お好みで揚げてもらってもいいけど?」と聞くと
「贅沢やからコースでいい。一番下のコースでいい」等と殊勝なことをいう。
「それならコース取って、その後に好きなの揚げてもらおうか」ということで決着。
美味しかったのは、キスと鱧、茗荷も美味しかった。
何だかんだと、遠慮していたはずのおかんも、生ビールから冷酒に移る頃には、どこへやら。
「海老、もう一回食べたいわ!鱧ももう一回!そのお芋。それ、美味しそう。」
さすがにかき揚げは入らないといいながら、キスをお変わりした。まぁ、よく食べて飲めるということは元気な証拠だ。僕は少し嬉しくなって、冷酒を飲みながら、目が熱くなった。
すっかり出来上がった二人。もちろん、今回は息子のおごりである。息子のおごりであるから、領収書分けろなんていわない。そんなもの必要ない。
「ごっそさん!なんぼ?」
リーマンが領収書を分けたくなる気持ちが、よ~く分かった。おかんも驚いた顔でレジを見ていた。おかんの中では天麩羅といのは、恐らくスーパーで売っているようなものが限界だろう。寿司より高いと驚いていたが、実は向かいの「藪そば」で昼間に飲んでも結構高いんだ。おかんは「すまんな、すまんな」と恐縮しっぱなし。「ええから、はよ便所行ってこいや!」と背中を押した。
3時半におかんとはJR三宮駅でバイバイ!おかんはこれから友達がやってるスナックへ歌いに行くという。俺は付き合いできへんけど、くれぐれもおとん(お父様の関西弁)のブッタン(仏壇の関西弁)に線香あげて、おかんからよろしゅうに言うといてくれと念を押して、新快速で大阪へ。
大阪や!
このゴミゴミした雑踏、大阪や!帰ってきたで!大阪や!
めちゃくちゃ、ウキウキするわ!小走りに東急インへチェックインして、なつかしの東通り商店街へ。まだ明るく時間も早いので、賑やかさがないかと思ったが、何の!何の!大阪や!
ホワイティー梅田という地下街をブラブラしていたら、柱にこんなんが貼ってある。
これは一体なんや?
「会社をやめて旅に出よう。ガンバレ社会人。河口恭吾。」
一体なんや?河口?お前、ダレや?何で会社やめて旅に出るのに、社会人がんばれやねん?
周りの人に「これ、なんですか?」と聞いてみるけど、誰も知らない。
大阪や!
前の会社の上司が、前の会社を早期退職して、ある物流会社の子会社の社長に就任した。そのお祝いと近況報告を兼ねて飲む約束だ。東通商店街にある「八重垣」へ向かう。ここも改装してきれいになったが、もう20年位、ここで飲んでる。
ここの名物は、姫路の銘酒「八重垣」と、豚を鉄板で焼いたものに卵を巻いた「とんたま」である。ようは串焼きなんだが、昔から「くわ焼」と呼んでいる。意味は分からない。店の人間も「先代からそうなんで、今でもそうです。意味は分かりません。」
こんなもんや!大阪や!
しこたま飲んだら、しこたま酔った。
この先輩の奥さんがめちゃめちゃ美人や。58には見えないんや!写真を出せないのが残念だが・・・その奥さんも来てくれた。長男までやってきた。
しこたま酔って、「事業計画がどうの、役員会がどうの、執行役員制がどうの」と仕事の話ばっかりや。リーマンは悲しいのぉ。
そこで、当然のごとくカラオケへ。いきつけの「あんふぁん」へ
何でこんな写真なのか分からないが、とにかくカメラにはこれしか残っていなんだ。
でも全くここで何があったのか記憶にない。多分、歌って僕が払ったんだろうなぁ。それは財布が物語るのみである。
かくして、大阪の夜は更けていったのであった・・・・