ぼくが中学生に

なってすぐ

 

母は

病院に入り

 

季節が

ひとまわり

するかどうか

まで

病院で過ごした

 

・・・

 

母は

とても

厳しい

 

・・・


ぼくが

お見舞いに

 

中学の

制服のまま

病室に行ったら

 

「早く学校へいけ!」

 

すぐ

僕を追い出そうとした

 

病室の

時計の針は

7時を指していた

 

ぼくは

学校帰りで

来たばかり

 

つまり

時間は

夜7時

 

母は

ずっとベッドで

寝ていたので

 

もう

朝なのか

夜なのか

判っていない

ようだった

 

そんな状況で

母は

時計の針が

朝7時

だと思い

 

「早く学校へ行け」

 

と怒鳴ったのだ

 

・・・

 

僕は

泣いてしまった

 

母には

「帰れ」と

怒鳴られたのが

くやしくて

泣いた


という事に

しておいたけど

 

本当の気持ちは

 

朝も夜も

判らないくらい

 

ずっと

寝たまま

なんだ

 

もう

治らないんだ

 

そう思って

泣いた

 

ぼくは

まだ

12歳だった