大衆の利益を、どんなバランスで考えるか | 刊行書籍100%増刷、すべて1万部突破のClover出版会長&『9つの質問』コンサルタント 小川泰史

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Clover出版、会長、また合同会社The Agent代表の小川泰史の公式アカウント。出版事業とプロデュース、販促プロデュースのエキスパート。また、問題解決のプロ、本田技研工業、公認書籍『9つの質問』コンサルタントとして多岐に渡る事業を行っております。


1957年、高度経済成長期
日本全体が疲れ始めた頃

栄養ドリンクが発売され
サラリーマンを中心に徐々に広がりましたね。
※まだ・・・私は生まれていませんが^^:

当時、臭いの問題を解決し
無臭のオロナイン軟膏で売上を伸ばしていた大塚製薬は
ドリンク剤の分野に進出しました。

人気商品に敵わないという状況を一遍させたのは

『炭酸入り栄養ドリンク』

私は詳しくはないのですが
炭酸が入ると「医薬品」とは認められないそうです。


それでも、薬局のマーケット全国4万軒に対して
一般の食料品店、酒屋は全国160万軒

当時の大塚製薬、大塚正史社長は

そのマーケットの巨大さに賭け
『炭酸飲料』として販路の無しの状況から

1965年【オロナミンC】と命名し100円で
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発売されたそうです。
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その発想の転換だけでも素晴らしいのですが


大塚社長が、この商品が売れる!
と確信したのは

ある出来事がきっかけでした。

ある日、会社の倉庫に泥棒が入り
商品が大量に盗まれたそうです。

その被害ですが、高額な医薬品も多数倉庫に
あったにも関わらず、なぜか

オロナミンC「だけ」が盗まれたそうです。
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この報告を聞いた大塚社長は
大喜びして、言ったそうですよ。

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そうか、そうか、そりゃあええわ~

泥棒が眼をつけるくらい価値があるってことやないか!

これは売れるぞ!絶対売れる!

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この思考ももちろん素晴らしいですね。


実際に、その後、順調に売り上げを伸ばした
このオロナミンCですが

今度は1973年、オイルショック

物価の急騰によって、原価の引き上げを
せざるを得ない状況に陥りました。


ところが、大塚社長は

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『目先のことですぐに変えてはダメだ
“大衆の利益”という考え方からすれば値上げはできない』
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以降、24年間100円という価格を
守り続けたそうです。

結果、爆発的に販売数を伸ばしたのは
言うまでもありません。

最近は、創業者のストーリーを
いつも読んで学ばせて頂いているのですが

今では、超有名な一流企業も
必ずと言っていいほど、倒産の危機を経験しています。

しかし、後に飛躍するどの企業にも共有点として、
そんな局面でも一貫している事があります。


『大衆の利益を優先する』


経営が辛い時も、大衆も苦しんでいる
だから、うちの会社は値上げをしない

会社が赤字になろうとも
クレームを受けた方々に、改善した新商品を
無償でお送りして、信頼を回復する

など、自社が危険的な状況に陥ったとしても
大衆の利益を優先してきたようです。

※2代目社長については敢えて触れません。


こんな素晴らしいお話を読むと

俺もそういう経営者になろう!

そう思いますが、いきなり同じようにしても
自分の会社の社員のマインドが常日頃から
それに賛同できる意識に育っていなければ
できないものですし、一昼夜にできる事でもありません。

それに、平素から経営陣である自分自身が
そうあり続ける時間を積み重ねて背中を見せていなければ
ある日突然いいことを言っても
社員がついてくるはずもありませんね。

まず、自分が平素から小さなシーンから
積み上げて日常を丁寧に生きる事。

それが、私が今やるべきことだな。
そう思わせて頂きました。

弊社は20数名の会社ではありますが
経営陣1年生の私には、初めての事ばかりです。

自戒を込めて、書かせて頂きました。



株式会社MTS取締役 小川泰史