昨日は三越劇場の怪談牡丹灯籠の初日に行ってきました!





本格的な演目でございました。
日本物は最近も新感線、宝塚、シラナミとか観ましたけどそのなかで細かくジャンル分けると、これは浅丘ルリ子さんの夜叉ヶ池以来(一体何年ぶりw)の気がする。歌って踊っては一切ありません。

私は歌舞伎の牡丹灯籠を見たことがなく、昔テレビの怪談シリーズで見た、お露さんが柳の下をカランコローンと灯籠とともに夜な夜な通って精気吸って想い人をあの世に連れていくところしか覚えてませんが、もっと複雑怪奇な人間関係の入り組んだお話で、元は明治時代の落語家三遊亭圓朝さんの落語の怪談噺なのですね。

↓あらすじにスッキリまとまってます↓

お露さんが通う浪人新三郎の下男の妻のお峰、下男伴蔵、ここが北翔海莉さんと北村有起哉さん。
もう一つの筋の平左衛門家来の孝助が市瀬秀和さんで、友人の新三郎が鯨井康介さん。
孝助の仕える平左衛門の娘お露と、後妻(妾)で実は孝助妹のお国の二役を舞羽美海さん。
お国の愛人で平左衛門甥の源次郎を井上優さん。
居酒屋女中などを亜聖樹さん。
酌婦(伴蔵愛人ーお国設定でなく別設定)を花陽みくさん。
孝助とお国の母お槇を三林京子さん。
円朝ほか五役を我善導さん。

歌舞伎の時の配役は伴蔵(仁左衛門さん)、お峰(玉三郎さん)、新三郎(愛之助さん)、お露(七之助さん)、源次郎(錦之助さん)、お国(吉弥さん)だったのですね
↓シネマ歌舞伎牡丹灯籠↓
で予告編ムービー見ると結構お露さんの怪談牡丹灯籠のまんまイメージ

今作のwikiあらすじとの違いは、孝助の実は平左衛門は仇という、冒頭での平左衛門が孝助父を切る全てのきっかけがなく冒頭は梅見の茶屋での出演者一同が代わる代わる出てくるシーンになってる、伴蔵夫妻が新三郎をはめる原因の百両の出所(平左衛門の金)が幽霊お露から夫妻にでなく、孝助が新三郎に渡した支度金で幽霊お露と伴蔵夫妻の絡みはなく夫妻がこの金を狙ったもの、後の関口屋伴蔵愛人はお国ではなくお仲といったところ。

幕開け口上に円朝と円朝弟子でみっちゃん!!
ここからもう楽しくて場内係が言う携帯電話や非常時の注意をみっちゃん!!(町娘)が言うのでもう楽しくて。
ここから超早変わりでみっちゃんからお峰に衣装など変わる。
舞羽美海さんもお露とお国の早変わりがめっちゃ
早い。お着物帯だけでなく頭もなので。
特に幽霊になってのお露→お国

殺しが多いですが血糊はないので上品な仕上がり。伴蔵お峰夫妻のあるじ新三郎殺し、源次郎お国の主人平左衛門殺し、伴蔵の妻お峰殺し、孝助の仇討ちに絡む母(お国を逃すため身代わり計略)殺し、本懐の源次郎とお国殺し。
殺されてないけどお露さんの焦がれ死にと下女お米も死にますし。
幽霊のお露さんは、新三郎が添い遂げるつもりと愛を告げるとお米と成仏しちゃうので目論見の狂った伴蔵夫妻がヒイヒイ言いながら殺すので、幽霊見学に行くあたりからして殺しだけど結構笑える作りなのです。
平左衛門とお峰殺しはこう、素人ですからスパって感じじゃないので首絞めとか何度も刺すとかの感じでやや悲惨です。血糊あったらヤバイね。
そこは歌舞伎じゃなく三越劇場コード。
孝助のは母と知らずですから歌舞伎あるあるの雰囲気ですし、お国はそれほど性悪でなく、切られてやっと兄妹の名乗り、死に行きながら「会いたかった」と涙ちょうだいの歌舞伎あるあるの雰囲気です。

幽霊より生きてる人間の方が怖い。

なんだ怪談じゃないじゃん、そう思ってる方、最後きっちりとみちこさんお峰が締めてくれますよw

客降りはもう大サービスじゃないかというね、伴蔵お峰夫妻が三回くらい降ります。三本の通路ともみちこさん通るし、こじんまりした劇場ですので一階ならうほほーという感じですよ。

それにしても声がガラッと違うし、所作から演技からとにかくお上手なみちこさん。
お綺麗な女優さんにならはって。。
伴蔵とお峰の軽妙で貧乏だけど幸せ→魔が差して主殺し→逃げて百両を元に始めた荒物屋「関口屋」の女将→旦那の浮気から殺され→幽霊→みっちゃん
様々な面で本当に魅力的でした。

舞羽美海さんもお露さんにお国と本当にお綺麗でしたよ。

亜聖さんとみくちゃんはあまり出番はないのですけどセリフはきちんとありました。