30年山王祭のススメ③ | 日吉大社公式ブログ「日々よし」

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日吉大社での日常や日々のご奉仕についてご紹介いたします♪

第3話では、13日に行われます神事について説明いたします。

 

◎神輿出神事 午前9時 於:西本宮・宇佐宮・白山宮→西本宮拝殿

 

 

昨夜の熱気冷めやらぬ中、翌日も朝から神事が行われます。

 

最初は西本宮・宇佐宮・白山宮三社の神輿を西本宮拝殿に奉安する神事です。

13日は東本宮に関係する神様たちが主役ですので、この三社の神輿は出番は無いのですが、今晩四基の神輿が西本宮に奉安されるにあたり、お迎えの準備を整えます。

 

◎神輿入神事 午前9時30分 於:東本宮→大政所

 

 

昨日朝に東本宮に奉安された東本宮・樹下宮の神輿、また昨晩山上から遷された牛尾宮・三ノ宮の神輿を境外すぐにございます大政所に遷します。この大政所はこの日の晩に「宵宮落とし神事」が行われる場所であり、御子神ご誕生の儀式を迎える場所。13日はこの大政所を舞台に様々な神事が行われます。

 

 

◎献茶式 午前11時 於:大政所

 

 

大政所に奉安された四基の神輿にお茶をお供えする儀式です。

 

実はあまり知られていませんが、ここ坂本はお茶発祥の地であり、延暦寺を建立された伝教大師が唐より茶実を持ち帰り、初めて日本にお茶を伝えました。

京阪坂本駅横に小さな茶園(日吉茶園)がありますが、この茶園が日本最古の茶園といわれ、その茶園で摘んだ茶葉を抹茶に仕立て、この日神様にお供えします。

お茶は古来より薬としても使われ、夜出産の儀式を迎える神々に安産の祈りをこめてお茶を供えるのです。

日吉大社公式ブログ「日々よし」-献茶

◎花渡り式 午後1時 於:京阪坂本比叡山口駅付近の石鳥居→大政所

 

期間中、最も華やかな儀式。夜に出産を迎える神々にお花をお供えする儀式で、この時には小さなお稚児さんが甲冑を身にまとい、お花を曳いて参道を練り歩きます。

 

大政所で神様にお花を供え、神楽を受けます。

桜並木の中、お子様が練り歩く様子はとても可愛らしく、一生懸命曳くお稚児さんの雄姿を是非ご覧ください。

日吉大社公式ブログ「日々よし」-花渡り

◎未の御供献納式 午後3時 於:大政所、西本宮

 

京都室町仏光寺の日吉神社よりのお供えを奉納する儀式。

 

大政所では、夜ご誕生される若宮へのお供えとして、お人形なども供えられ、

その後西本宮の神様にもお供えがあります。

西本宮の儀式では、八乙女とよばれる小学生女児の御稚児さんがご奉仕されます。


日吉大社公式ブログ「日々よし」-未宵宮場
日吉大社公式ブログ「日々よし」-未 西

 

◎宵宮落とし神事

 

 

13日の最も重要で勇壮な神事。ご夫婦の神様より御子神が誕生する儀式です。

 

この時ご誕生される神様は上賀茂神社のご祭神 賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)であり、古来はこの山王祭(別名:桂祭)と京都賀茂神社の葵祭は一連の神事であったともいわれ、その関係の深さを表す神事でもあります。

 

☆午後5時~ 各駕輿丁の町内練り歩き

 

 前夜同様、この日も各神輿には「鼻」の大役を務める担ぎ手の方がおられ(この日は4基の神輿を4つの駕輿丁が担ぐので、鼻は駕輿丁毎に2名ずつ)、それぞれの鼻を先頭に松明がお供につき、集合場所である生源寺を目指します。

 

☆午後6時半 延暦寺法要 於:生源寺

 

 

☆午後7時 読み上げ式 於:生源寺

 

 こちらも前夜同様生源寺にて読み上げ式が行われます。

 読み上げの順番は①東本宮(中部駕輿丁) ②牛尾宮(広芝駕輿丁) ③樹下宮(下阪本駕輿丁) ④三ノ宮(至誠駕輿丁)で、読み上げが終わると、大政所に駆けだし、神輿振りを始めます。

 この「神輿振り」は陣痛の苦しみを表しているといわれ、神輿を叩きつける音は坂本中に響き渡り、いよいよ若宮のご誕生をむかえる時が近づき、緊張感が増していく頃でもあります。

日吉大社公式ブログ「日々よし」-13日読み上げ

読み上げ式
日吉大社公式ブログ「日々よし」-神輿振り
神輿振り

 

☆儀式 午後8時30分頃 於:大政所

 

 

 4つの駕輿丁が大政所に揃い、神輿振りが盛大に行われる頃、甲冑の行列と共に、「とび」と呼ばれる方々が日吉の馬場(表参道)を進み、誰かの合図によって、この「とび」の方々は一斉に神輿へと走り出し、それぞれの神輿に2名のとびが揃うと神輿が大きく振り上げられます。

 

 この「とび」は儀式前の競争で、とびが来ると大政所は一斉に緊張感が走ります。

 その後、小満の儀式の後獅子舞が舞われ、「綾織り」という役による神輿のお祓いなどの儀式を経て、山王祭実行委員長が祭文を奏上、奏上終了と同時に、4基の神輿は一斉に大政所から地面に落とされ、近くの「鼠の社」めがけて4基が先を競います。この、神輿を落とされた瞬間こそが若宮誕生の瞬間でその大きなエネルギーは駕輿丁全員の競争に火をつけ、まさに「興奮のるつぼ」となるのです。

 鼠の社を過ぎると4基態勢を整え、西本宮拝殿に渡り、この夜ついに7基の神輿が西本宮拝殿に揃います。

日吉大社公式ブログ「日々よし」-宵宮落とし


◎13日のオススメ

11時:献茶式 お昼前に坂本にお越しになり、大政所に揃う神輿を見て、優雅な献茶式をご覧ください。

→13時:花渡り式 山王祭で最も華やかな儀式。参道には屋台も出ていますので、お昼ご飯を食べながら、桜を愛でながらお子様達の可愛い練り歩きを観覧。

→お時間があれば少し坂本界隈を散歩してみたり、延暦寺や西教寺など坂本の名勝を尋ねるのも魅力です。

→18時:まずは生源寺にお越し頂き、法要→読み上げ式を観覧

→大政所に場所を移し、壮大な神輿振りを見学して、儀式をお迎えください。

→神輿が落とされたら後をついて西本宮へ。ライトアップされた西本宮拝殿に並ぶ7基の神輿は絶景です。

 

以上ご満足コースのススメです。

 

宵宮落とし神事では観覧者多数の場合、入場制限を行うことがございますので、ご了承下さい。

次は山王祭のススメ最終話、14日・15日の神事について解説いたします。

 

(ご案内)
※山王祭期間中は坂本各所で交通規制が行われますので、 自家用車でのご来場はお控えください。
  公共交通機関を使われるか、京阪「びわ湖浜大津駅」付近には大きな公共駐車場(1日最大800円など)がたくさんありますので、こちらにお車を停めて、京阪電車で坂本まで(約15分)お越し頂くのもオススメです。

※14日夕刻に行われる船渡御(ふなとぎょ)、粟津御供献納式(あわづのごくけんのうしき)を琵琶湖汽船さまの観光船「ミシガン」からご覧頂くことができます。(大津港15:30発~17:30着)
 詳しくは琵琶湖汽船ホームページ をご確認ください。

  湖上での神事を拝観できる貴重な機会ですので、是非ご利用ください。    
  また、同船には神職も同乗させて頂き、皆様に神事の解説を致します。