二女とのLINEが復活したのは、昨年(2023年)の6月でした。

きっかけになったのは、夫が手渡した二女への手紙でした。その手紙には「おばあちゃんに会いに行こう」という内容のメッセージが書かれていました。

 

LINEが復活してしばらくの間は、できるだけ家族全員で、グループLINEを使って共通の話題を見つけて会話するようにしていました。

話がはずめばと思い、家族の写真をよくアップしました。

娘たちの子供の頃の整理されていない写真がたくさんあったので、「写真の整理をしています」とコメントしながら、面白そうな写真があると載せていました。

 

長女や夫からの返信はすぐにあるのですが、二女はあまり返信をしてくれません。

それでも、「既読」になることで私たちはほっとしていました。たまに二女のコメントが入ると本当に嬉しかったです。

 

この頃の私たちは、二女を説得するということよりも、普通に会話をし、一緒にご飯を食べ、4人で写真を撮るといった、当たり前のことができるようになりたいと思っていました。

 

携帯電話やスマホが当たり前になってから、写真をプリントすることがなくなってしまい、家族全員で撮った写真が、娘たちが小さい頃のものばかりで、大人になってから撮っていないことに気づきました。家族4人でおばあちゃんのいる施設に会いに行って記念撮影をしたい――そんな思いが募りました。

 

夫は、母(二女にとってはおばあちゃん)が高齢者施設に入った後も毎月実家へ戻り、会いに行っていました。長女も私も、不定期ながらたびたび会いに行っており、二女だけがコロナの影響もあり何年もおばあちゃんに会っていませんでした。

 

二女も気にかかっていたのでしょう、7月半ばになって、夫にLINEがきました。

 

「おばあちゃんのいる病院と部屋番号を教えて」

――おばあちゃんがいるのは病院ではありません。二女は勘違いしているようです。

 

二女からのLINEが夫に届いたのは、昼の1時少し前。出かけていた夫が帰宅して、二女に「おばあちゃんの家にはいつごろ行けるの?」と返信したのが、午後4時半ごろでした。

 

それからLINEのやりとりが8時近くまで続きます。

 

以下「いつ行けるの?」の返信。

 

二女「いま日程を調整しています。とりあえず手紙を出したいので、おばあちゃんのいる所の住所を教えてほしい」

夫「おばあちゃんは病院ではなく施設にいます。手紙は、パパがおばあちゃんに会うときに手渡します。とりあえずパパに預けてください」

二女「了解。施設の住所を教えてください」

夫「住所を知ってどうするの?」

二女「目的地の場所が知りたいんです。行き先の住所を知るのは普通のことだと思います」

夫「ごめん。施設との契約で細かな情報を漏らしてはいけないことになっています」

二女「じゃあ行きたくても行けないね」

夫「どうしてそんな答えになるの?」

二女「目的地わからなかったら行けない」

夫「えっ?手紙出すのじゃなかったの」

二女「仕事や他の用事もあるので、1人で行きます」

 

「手紙を出すから」という最初の内容から、「1人で現地へ行く」という話に変わっていました。

二女には、施設のセキュリティに関する決まり事を説明し、面会には事前予約が必要なこと、身元引受人である夫と一緒に行く必要があることなどを伝え、その日はいったんLINEのやりとりを終えました。

 

二女は、おばあちゃんの家(夫の実家)の近くの駅に着いたら連絡するとのことでした。

 

 

(続く)