いま現在、二女との連絡は取りようがありません。

 

アパートに行けばいるかもしれませんが、私たちがインターフォンを鳴らしても居留守を使って出てこないでしょう。家族とのLINEはそれぞれブロックされています。家族全員で行っていたグループLINEは退出してしまいました。電話も着信拒否されています。手紙は送れますが、なんの反応もなく読んでいるのかどうかわかりません。

 

LINEは一度ブロックが解除されていた時期がありました。そしてその後またブロックされました。最初にブロックされてから、その後一時的にブロックが解除された頃のことをこれから書いていこうと思います。

 

wという人物が、二女にかなり濃厚につきまとっていることがわかって、とにかくwと二女を切り離すことが「エホバの証人」という狂信的な宗教から二女を救出するいちばん有効な方法だと考えました。

 

ただその時点で、すでに二女は今まで住んでいたアパートから、wの住むマンションと目と鼻の先の距離に引っ越してしまっていました。wは日常的に二女と接触できるよう手元に呼び寄せていたのです。

 

二女が以前住んでいたアパートは、私たちの住む自宅から歩いていけるくらいの距離でした。新しいアパートは、電車で5、6駅行ったところです。こんな形で、二女と私たち家族が切り離されてしまっているという現実に私たちは驚愕しました。

 

できることは、「エホバの証人」が二女にとってこれ以上足を踏み入れるような世界ではないことを、手紙で伝えることだと考えました。

 

この頃の私たちは、まだ二女に、理づめで説明すれば理解してくれると思っていました。

 

 

2023年5月。

 

私たちが「エホバの証人」の集会に出て、奇妙なラブシャワーの歓迎を受けたその数日後から、二女へ、「エホバ」が安易に近づいてはならないカルト宗教であることを伝える手紙を届け始めました。この日以降、間隔としては週に2回くらいアパートへ行って、手紙を直接届けるようになりました。

 

手紙は本人がいれば直接手渡しし、不在であればアパートの1階にある集合の郵便受けではなく、二女の部屋のドアに付いている新聞用の「ドアポケット」に差し込みました。

 

初めての手紙は、夫と私がそれぞれに書きました。

 

私の手紙は、アパートで私たちとw、研究生のAさんとで長い話をしたことについてのねぎらいのような感想と、二女のこれからの人生を心配していることなどで、なにげない内容です。

 

夫の手紙は、聖書というものの成り立ちについて説明し、聖書の一言一句をそのまま鵜呑みにして信じ込むのは滑稽じみている——という内容です。

 

夫と2人で二女のアパートに行ったとき、たまたま窓から外を眺めていた娘と目が合いました。

 

まだこの時の二女は、私たちに対しての敵意が、それほど強くなかったかと思います。普通にドアを開けてくれましたし、わずかの時間でしたが世間話のようなこともしました。

 

2回目の訪問。

前回会えたことが嬉しかったこと、おばあちゃんにも会いに行こう、二女の部屋はいつ帰ってきてもいいようになっている——このような内容の手紙を私が書きました。

 

この時点では、「エホバの証人」に対する私たちの見方はとりあえず抑えておき、少しずつその問題点を訴えていこうと考えていました。wについても、批判がましいことは言っていません。

 

友人からもらった美味しいメロンも一緒に、二女に直接渡すことができました。

 

(続く)