衛府の七忍 10 (チャンピオンREDコミックス)

 

え?

9巻でやっと七忍が出そろったのに?

 

最終ページの下、ひそかにある「完(完結)」の文字に、時が止まりました。えっと、ちょっといいかな。七忍のうちの一人、散(はらら)が合流していないんだが? 私の記憶が確かなら桃太郎と七忍たち、一回も顔合わせていないんじゃあないの? 

 

これは打ち切り漫画によく見る締めの作法「俺たちの旅はこれからだ」か。いやしかし、読者満足度は非常に高い作品だし、打ち切りではないはず。10巻だって、展開はいきなりだったにしろ内容自体はおもしろかった。どういうことだ。よんどころなき事情なら巻末に説明なりあってもよさそうだが、それもない。

 

他の人はどう思っているのかはたと気になり作品ページでレビューを見たら、山口さんは次に書きたいことができるといてもたってもいられない性分らしく、こういうこと(無理やり〆る)がよくあるらしい。そういやエクゾスカルも唐突に終わっていたな~(遠い目)

 

そうですか、先生の次回作にご期待くださいですか。カクゴと伊織のノリ好きだったのになあ。無念である。

 

【その後】

フジテレビONE「漫道コバヤシ」の山口先生回を見ました。

当然この件にも触れられておりまして、物語を閉じた経緯について少し知ることができました。

元々今作は、まつろわぬ民や少数民族を描きたくて始めた物語だったそうです。でも、書いているうちに先生ご自身の心が強者を描く楽しさに動き始め、潮時を感じられたとのことでした。読者からの反響も、宮本武蔵編と沖田総司編がとてもよかったそうです。

 

元のテーマからはずれた物語にするくらいなら終わらせる、という作品に真摯に向き合った結果の決断だったのだと受け止めました。納得しました。

 

ちなみに、完結後ネットの反響を見たそうですよ。みんなめちゃくちゃ怒っていたってさ笑

 

【さらにその後】

ついにご自身の手でヒーローを作ることにされた山口氏。これまでの作品とはがらりと趣向を変え、リアリティ重視です。2巻になり少しずつ物語の全容が見えてきて、続きが楽しみっちゃ楽しみ。でも、衛府の七人を強制終了させてまで始めたかった物語がこれかあ、という残念感はありまする。

劇光仮面(1) (ビッグコミックススペシャル)