警察が公開した発砲直前の映像。ナイフを握っているのがブライアントさん(AP)

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 警察が公開した発砲直前の映像。ナイフを握っているのがブライアントさん(AP)

 

 

 黒人男性のジョージ・フロイドさんの死亡事件の裁判で元白人警官のデレク・ショービン被告(45)が20日にミネソタ州ミネアポリスで有罪判決を受けたその25分前、オハイオ州コロンバス市内で16歳のマカイア・ブライアントさんが警官による発砲で死亡していたことが明らかになった。

 

 21日にコロンバスの警察当局が警官が装着していたボディー・カメラによる10秒間の映像を公開したもので、ブライアントさんは刃物を女性の前でふり回していた。

 

 AP通信によれば緊急通報を受けて現場に急行したのは2019年12月に採用されたニコラス・リアドン巡査(人種は不明)で、映像には「ナイフを放せ」という音声が含まれている。このあとブライアントさんは別の女性に対してナイフを振り回しながら迫ったため、リアドン巡査は銃を4回発砲。ブライアントさんは倒れ、路上にはキッチン用もしくはステーキ用と思われるナイフが落ちていた。ブライアントさんは病院に搬送されたが死亡。現場にいたと見られる男性は「まだ子どもじゃないか。撃つ必要なんかなかった」と叫んでいた。

 

 ブライアントさんは養護施設で暮らしているが、祖母のデブラ・ウィルコックスさんはAP通信に取材に対して「物静かでおとなしい子ども。映像にある姿は私が知っている彼女ではない」とコメント。この映像を見たオハイオ州のマイク・デワイン知事(74)は「ひどい悲劇だ」と語っていた。

 

 コロンバスでは前週にも病院で銃を所持していた男性が警察官による発砲で死亡していた。