ひよこ座の生徒たちは、発表会ごとに成長が見えます。


自画自賛なのですが。

それが、自分が経験してきたものよりはっきりしているのは指導の内容だと思うのです。

昔って、先生のペースでワーッとやって、できないと怒鳴られて…ということが多くて、本番が終わってもよく理解できていないままだったりしました。

当然、本番はめちゃくちゃ不安でした。


あくまでも私自身の経験と、周りの人から聞いた範囲ですが発表会を大変と思う状態には共通点があります。

私が工夫している点を書いてみます。


★作品全体のイメージをはっきりさせる

 先生の頭の中で考えていることは、生徒にはわかりません。

 こんなものを目指している、という説明があったほうが振り写しもスムーズになるかと思います。

 また、少し躓いたところで進行がストップしてしまうより、先にとりあえず最後まで振付をします。

 曲の最後のほうの振付をいつまでたってもやってもらえない、本番直前に振付が完成した、なんてあってはいけないのです。


★苦手なところ、理解しづらそうなところから丁寧に練習。

 全体を何回も通すのでは、いつも同じところでわからなくなったり、ミスをしてしまいます。

 パがわからないのか、音の取り方がわからないのか、パとパのつなぎがわからないのか、アームスの通り道がわからないのか…といった理由によって指導する内容も変わってきます。


★せっかく覚えたことを忘れないために。

 紙に書いたり、画像にして生徒に共有します。

 実際に踊ってみるばかりでなく、方向や移動のルートを理解するだけでも頭の中の整理ができます。

 カウントも文字で読むと、スタジオで頭の中がグルグルあせるだった場合でも理解しやすくなります。


★音楽の分析。

 踊らずに音楽だけを聴いてみる時間があると、冷静に考えられます。

 何拍子で、どこの部分がメインなのか、どういう意図でこの部分が盛り上がっているのか、静かなのか、など。


★ある程度間違えずにできてきたら顔の向きやニュアンスなどの味付けをしていきます。

 大人にいきなり「顔もつけて、全部やらないとダメでしょ!」はちょっと厳しい。


★スケジュールは早めに。

 私のスケジュール確定は早いです。

 スタジオ予約ができるおよそ2ヶ月前には決まっていて、急な変更は私の急病でもない限りありません。

 「明日集まって!」なんて、お仕事をしている人には無理です。


★リハーサルは時間を決めて。

 できるまで帰っちゃダメ!なんてこと時代遅れ。

 今日はここをしっかりやる!と課題を決めて、時間内に効率よく進めていきます。


★アップはきちんと。

 うちのリハーサルはアップとバーレッスンをやってから踊りに入ります。

 各自やってね!は大人の初心者には難しいですし、怪我のリスクが怖いです。


★お衣装はレンタル。

 買い取りや生徒が個人で用意しないといけないケースもありますが、うちはレンタル衣装を使用します。

 本番後に回収するので疲れた帰り道は荷物が減って軽くなります。


★ヘアメイクは先生がやる。

 きちっとしたシニヨンを結ったり、舞台メイクまで練習していては時間がいくらあっても足りません。

 本番前の忙しくて疲れているときにはできるだけ体調を整えてもらいたい、練習してきたことを発揮できたのにヘアメイクが残念ではもったいない。

 私とお手伝いの先生でヘアメイクをやります。


★怒りません

 生徒ができないとき、怒ったりしません。

 出来ないのには理由があります。

 レベル的に無理なことはさせませんので、説明したり、一緒に踊ってみせたり。

 先生がヒステリーを起こすと生徒は冷静さを失い、良い結果は得られません。


大人は説明したらわかろうとしてくれますし、わかります。

私の振り付けたものや、発表が

「すごくよかった!」

と言ってもらえるのは、生徒自身が理解して自ら踊っているからだと思うのです。

もちろん、生徒自身の努力の賜物。

正しく努力してもらえるように、先生の指導内容はとても重要だと思うのです。


お仕事しながら、ご家族のことも考えながら、発表会にも参加してくれる生徒達は本当に素晴らしい。

だからこそ、余計な負担はかけずに踊りは上達してもらいたいです。