先日、生徒からの質問

「〇〇はここを使うからここを押し出して…」

と言う説明を受けたのですが泉先生はどう思われますか?という内容。


関わる人が見たらわかると思うので詳細は伏せます。

例えなど言い出したら例はいくらでもありますが。


おそらく色々勉強されている(つもり)の先生のレッスンでよくあるのですが

「解剖学を学びました」

と言いながら機能はわかっていないケース。

生徒へ説明した内容を質問されることも多いのですが、解剖学を学んだと言わないほうが良いですよ、と言いたくなる指導者も多いです。


私は身体を動かすことを指導している人が解剖学を学ぶのは、身体の仕組みだけでなく機能を知っている必要があると考えています。


バレエで重要な関節を例に上げると、


【関節の作りと種類】

・球関節→球状でいろいろな角度に動く関節(股関節、肩関節)

・蝶番肩関節→1つの軸で動く関節(膝関節、肘関節、指関節)

・螺旋関節→2本の骨がねじれる動きをする(前腕)

など。


足関節も重要ではあるのですが説明が複雑で長くなるので割愛します。

関節の形状にやって動きのパターンや角度が異なります。


【筋肉の起始停止部の理解】

筋肉の場所がわかるだけでは機能までは理解できできるとは言えません。

関節の動く方向と合わせて筋肉の付着している場所がわからないと筋肉がどのように作用するのか説明できません。

ここまで本当に理解していると、動かせないことを「やりなさい」と言ってしまうことはないはずなのです。


身体の仕組み上、無理な動きを指示することほど危険な事はありません。


私自身受けたクラスで、骨を折らないと、関節をはずさないとその角度には行きませんよ?という説明をしている先生も見たことがあります。

その先生もプロフィールに『解剖学を学ぶ。コンディショニングなどの指導を得意とする』と書いてありました。


また、身体の仕組みと機能がわからないと、生徒がうまくできないときに何を指導してよいか決めることができません。


うまく動けないのは、生徒がわかっていないとか歴が浅いからとかだけとは限りません。

お仕事や家事でコリ固まっていると関節がうまく動かせなくなります。

硬くて動かせないまま無理に練習しても悪い動きが身についてしまうだけです。


機能がわかっていると、この角度の動きが悪いから原因はここだな、と判断できます。

解剖学を指導に活かすとは、そういうことだと思っています。