私はX(Twitter)では多くの音楽家の方と交流しており、音楽を習う生徒さんのお話も知ることがあります。
わりとあるあるだと思うのですが
・楽譜をちゃんと読んでいない(正しくない耳コピ、知っている曲を雰囲気で弾いているなど)
・練習をしてこない
・メトロノームを使わない
など器楽の先生方もバレエの先生と同じような悩みやご不満をお持ちです。
ここで、何がいけないのかというと楽譜を読まないと言うことは音符一つ一つの長さ、休符などが弾いている本人がそう思った弾き方をしているのであって、楽譜通りではないかもしれないということ。
耳コピってものすごく高等技術が必要です。
基礎をわかっていない人が雰囲気でやったら、それっぽくはなるかもしれませんが、正しくはないのです。
音楽にも踊りと同じように『溜め』『スタッカート』『緩急』『十分に延ばす』などがあり、楽譜には音符だけではなく演奏のニュアンスの指示が書いてあります。
例えば『十分に延ばす』に関してはなんとなくしか理解していないと音符が元々長いのか、フェルマータなのかリタルダンドなのか…ということはわかりません。
まぁ拍子から予想することはできます。
合唱、合奏をやるととてもよく分かるのですが、楽譜通りに理解したうえで指揮もちゃんと見てやらないと音がバラバラで音楽になりません。
バレエでも同じことが起こり得ます。
時々、大人の発表会のバリエーションで生徒自身がyoutubeなどで動画を見つけて、振り付けを覚えてからリハーサルに来てと言われるという話を聞きます。
そういう生徒さんから
・振り付けが色々あるけどどれが正しいですか?
・同じ曲の動画を見せてきて、これとこれどちらが私でもできますか?
・このパが何をやっているのかわかりません。
など、指導を仰がれることがあります。
そりゃぁ生徒さんがわかるわけ無いですよ。
バレエ経験がかなり長い方が、自分でやりたい振付があると言うので自分で覚えてやってもらったら、元の振り付けと違うパと思いこんでやろうとしていたこともあります。
前後と繋がらないので、とてもやりにくくなります。
また、同じ曲でも時代や時期、バレエ団、ダンサーによって振付が変わることもあり、同じ曲だからどれでも同じというわけではありません。
さらに普段のレッスンでしっかり音を取れない生徒がバリエーションの音を動画を見て理解できることはありません。
これらのことから、私は発表会の振り付けは基本的に生徒のやりたいものを聞きつつ、元の振り付けでできるものを一緒に選びます。
どうしても無理だけれどちょっと調整して頑張ってできそうなら、生徒のレベルに合わせて難しすぎるパを、できるものや本番までに練習してできるようになるものに変更します。
バリエーションは難しすぎるから、自分がきれいに踊れる範囲で頑張りたいという生徒にはオリジナルを創作します。
大人でも子どもでも、私はまずは振り写しはカウントをしっかり、振りとカウントが頭に入ってきてからここはもう少し強く、軽く、しっかり見せて…など味付けをしていきます。
最初から「もっと上半身使って〜」などとやってしまうと音楽の基本と動きがどんどんずれて、わかる人が見るととても気持ち悪いものになってしまいます。
ただ伸ばしたり静止するのと、溜めや強調は別物です。
今年の大人の発表会は毎年参加している友人主催のジョイントコンサートで『ロミオとジュリエット』のdance of knightsをやります。
大人にしかできない素敵な作品にしますよ。
まだ1〜2名お入りいただけます。
リハーサル初回は2月25日、4月までは日曜日隔週で行います。
ちょっと迷ってたのよね〜なんて方がいらっしゃいましたらぜひご連絡ください。
hiyokozaballet@gmail.com