私がトレーニングをしていると話すと必ず聞かれること。


「バレエのためのトレーニングって何するの?」

「ピラティスとか?」


いいえ!

私がやっているのも、指導しているのも、ごくごく普通の(っていうのも変ですが)トレーニングです。


私がトレーニングを始めたきっかけは動けなくなるほどの腰痛。

その原因はバレエとピップホップで間違った身体の使い方のままムキムキなって、太ももの前側に引っ張られて骨盤が前傾、反り腰になったこと。

間違った使い方になった理由の一つがここでもよく書いている

・ここを使って

・ここに力を入れて

とバレエを教わってきたことによる勘違い。

今は【踊る】事をわかっていますが、10代の頃はよく先生に言われていた内ももやお腹、背中に力が入ったらバレエがうまいのだと思っていましたから【動かす】ではなくて【力を入れる】事をしようとしていました。

当然、動き方が違うので鍛えられる筋肉も違ってきてしまいます。


成長期が終わるまでそんな感じだったので20代になってから直すのはとてもとても大変でした。


力を入れたり、勝手に使われてしまって固くなった箇所をほぐし、ストレッチをたくさんしてテンションを緩める。


うまく使えていないところは負荷をかけて強くしつつ、その筋肉の働きを脳に認識させる。


コツコツやるしかない地道な作業です。


一つの動きをするにも、【主動筋=主に働く筋肉】【補助筋=補助的に働く筋肉】が存在します。

一つの筋肉だけを使うということはありませんが、主動筋が主導権を握っていることが関節の動きを正しく、余計な負担をかけないコツです。

だからその主動筋に負荷をかけてしっかりとスイッチオンにすることをしています。

トレーニングとは、筋肉をムキムキさせるだけではなく筋肉と脳にその働きを理解させるため、感覚で覚えるために負荷をかけて運動することも含みます。


私がやっているのはバレエ特有ではなくて、身体のバランスを整えることによって自分の本来のパフォーマンスを出せる状態を作り出すこと。


これらの経験から、「この筋肉を使う」と意識をして動くことは不可能とわかりました。

補助筋であるはずのところがメインになる動きを覚えてしまうと、そう簡単には直せません。


動きは意識が必要です。

その時に主動筋が正しく働くようにトレーニングで調整するのです。

そのトレーニングはミリ単位でその人に合わせた角度や負荷、回数の設定が必要です。


1mm違うと働く筋肉が違ってくるのですから、バレエの【基礎を正しく】の理由も納得ですね。