自分も新しく習い事をしたり教わったりすると発見があるものです。
先日の声楽のレッスンで、
「バレエでも鏡を見るでしょう?」
と先生の言葉。
私は今まで声を使うことを全くやってこなくて、口の開け方などを確認するために鏡を見ながら歌う練習をしています。
歌はバレエのパ以上に頻繁に音程が変わるので動きの一つ一つの時間が短いです。
つまりずっと鏡を見続けないと見落としがでてきます。
でも、たぶん普段の癖で目線を上げて鏡から目線が外れてしまう。
それで上の注意があったのです。
(理解はしているのに身体が勝手に!!! ムムム…)
というわけで、大人バレエの人って鏡を見すぎる人が多くて、見なきゃいけないと思ってる?なんて思ったわけです。
バレエは違います
鏡を見た時点で目線や顔の向きが踊りたいものと違ってしまうから。
特に素人さんは頭の位置が少し変わっただけでバランスが取れなくなったりします。
プロでも筋力でカバーしているだけで良くはないです。
客席からどう見えるように踊るのか、が大事。
目線は客席とは限りません。
演劇の方から聞いたことがありますが、見つめ合うときも本当に相手の目を見るより目線をずらしたほうが見つめ合って見えるという技もあります。
これはバレエでもあり、どんな役柄か、どんな場面か、など状況によりますが、登場人物が向かい合ってやり取りをするシーン。
真正面に向かい合ってしまうとすごく閉ざされた空間になってしまうので身体の全面を少し斜めに客席側に向けたほうが良いケースもあります。
内容によってはわざと真正面に向かい合うこともありますね。
というように自分からどう見えるか、ではなくて客席からどう見えるか、なので鏡を見すぎると主観になってしまいやすいのです。
脳というのは都合よくできていて、バレエのように動き続けて全身を使うものでは基本的に良い部分しか見えません。
鏡を使うのはポイントごとに確認する少しの間。
アンシェヌマンの途中でも、「さっき注意されたところ…」と気にしながらチラ見することはあります。
でも踊りながらのときは顔全体ではなくて目だけでチラッと見る感じで、ずーっと見たりはしません。
頭蓋骨の位置が変わると全身のバランスも変わってしまうから。
私が一番鏡を見るのはセンターや群舞で並ぶときです。
全体を見渡して、自分がどこに立つべきか判断します。
自分から、直に周りを見るのってあまり見えていないんですよ…
距離感つかみにくいですし。
よーく考えたら大人の生徒でも経験が浅い人は逆だなぁと気づきました。
鏡は見すぎない、状況判断のためにはしっかり見る、です!