バレエは芸術、芸術家は変わっている人が多いから仕方ない
このところよく耳にする言葉です。
バレエって、そんなに特別なものですか?
ちょっと前に『バレエの先生は非常識な人が多くて、私は大人の生徒から「先生は話が通じる」「先生はまとも」と言われるけれどそれはそれでどうなんだろう?』(それだけ話が通じなくてまともじゃない先生のほうが多いのが問題では?)という内容のツイートをしたところ、たくさんのいいね、コメントをいただきました。
その時に聞いたお話。いくつかの似たエピソードはまとめて記載してあります。
・明らかにレベルのあっていない難易度のリフトで落とされてケガをしたが「あなたが悪い」と言われた。
・スタジオをやめようとしたら電話やメールで猛攻撃された
・学校を休ませてまでリハーサル
・部活禁止
・勉強よりレッスン
・やめようとしたが「認めない」と、やめたあとも月謝の請求書が郵送されてくる
・バレエは習い事ではないから人生を捧げるべき
・お嬢様で社会経験のない人が多い←私は社会とずれている理由にはならないと思っています
私の周辺で実際にあったこと。
・会社員の初任給と同じくらいで月10万でいいかしら(スタジオ専属での月給の話)
・アシスタントは一人前じゃないから無報酬
・「ケガをしたのは本人の責任」と床に座り込んで動けない生徒を無視して横で他の人と会話
・「私のスタジオなんだから〇〇と〇〇と〇〇やっておいて。」←無報酬
・あなたのことが気に入らないからやめてもらう。だから今月の報酬は払わない。
・発表会はやるけど、お衣装は各自レンタルしてねと生徒に丸投げ
・レッスン中にできていないと棒で叩く
・「こんなに一生懸命教えているのになんでできないの」と生徒に言う
・発表会リハーサルのため、数ヶ月前からスタジオ予約やお金の計算などを全部生徒にやらせたうえに、他の有名な人との仕事が入ったからと前日にキャンセル
意味がわからない文章もありますが、間違っていません。
そのときに見た、聞いた内容の通りです。
個人が特定されてしまいそうなものは書いていません。
もっとあり得ない話も聞いています。
これらをやらかした先生は、自分の何がダメなのかわかっていません。
生徒からお金を払ってもらってレッスンを提供している以上、サービス業とは違うとはいえ『ビジネス』『商売』なわけです。
お金がないと先生自身の生活ができません。
講師も同じです。
人に仕事を頼むということをすごく軽く考えている先生もいます。
人の労力と時間は無料ではありません。
先生から生徒に提供できるものはバレエのレッスン。
でもそれは、生徒がいるから成り立ち、生徒もお仕事でお金を稼ぎ、学生は将来のために勉強しなくてはなりません。
それを邪魔する権利は先生にはありません。
もしもっとバレエへエネルギーを注ぎたいのでしたら、生徒から先生に伝えてたほうがよいです。
普段のレッスンに更にプラスしたアドバイスは生徒側からスタートを。
先生がむりやりさせるものではありません。
生徒全員にプロを目指すようなレッスンと周辺のあれもこれもやらせようとしても、どこまでバレエにエネルギーを注ぐが決めるのは生徒自身。
こんな方法があるよ、上達したいならこのくらいしないといけないよ…と指導するのは必要ですが、強制するのは違うと思うのです。
リハーサルは学校などと重ならない時間に。
お金のことは先生がやる。
もし生徒自身のミスでも、ケガをしたら応急手当をする、病院に行くためにタクシーを呼ぶか生徒に確認するなどできることはあります。
バレエを続けるかやめるかも生徒が決めること、先生が決めるのではありません。
発表会などのイベントを企画するならお衣装やスタッフの手配など責任を持って。
ほとんどお衣装屋さんは教室単位で登録しないとレンタルできません。
振付の難易度の設定も先生の仕事。
そんなに難しいことを求めるなら、報酬を払ってプロを雇いましょうよ。
生徒は先生の道具ではありません。
プロになったら厳しい世界、それと先生のわがままを生徒に押し付けるのは違います。
バレエは特別だから仕方ないと思って耐えている生徒さんや生徒から先生になろうとしている人がいたら、それはちょっと違うよ、と気づいてほしくて書きました。