よく他の先生方からも、生徒からも言われます。


「ポワントフィッティングまで見てくれる先生は他にいない」

「そこまでやって偉いね」

など、、、


違うんです。

生徒の上達を心から願うこと以外にも理由があります。


私自身、ポワントを履けば皮が剥けるもの、と思いこむくらい痛いことが当たり前でした。


高校生以降は合うシューズを探していろいろ試して、バイト代で補っても予算が足りなくて親に頼み込んだこともありました。


バレエ学校でやっと「あなたの足はスクエアだから、もっとスクエアな型のものにしなさい」という先生からのアドバイスをいただき、そこで初めて先生がポワントの型もアドバイスすることがあるのだと知りました。


次に買うときは言われたとおりにしましたがやっぱり長時間はいていると水ぶくれができて破れて、趾はテーピングだらけ。


20代は、教えることと勉強に一生懸命だったのと、親が生命医療保険が切れたタイミングで病気になって入退院を繰り返したので医療費を払うためにひたすら働いていました。


発表会は自分は踊らず、生徒中心。

踊れる友人にゲスト出演を頼んで、レッスン以外でポワントを履く機会がなかったのでひどいことにならずに済んでいました。


30代になってから、再び生徒と一緒に踊るようになったら、そのタイミングでしばらく履いていたポワントが廃盤に。


人生何回目かのポワントジプシーに。


国内で手に入るスクエアなシューズは全て試したのに合わない。

もうどうにでもなれと言う気持ちで、とりあえず試し履きできるものを片っ端から全部履いてみることにしました。


すると!

私にぴったりなポワントは、先細・ヴァンプ浅め・履き口広めなものだったのです。


以前に言われた『スクエア』にこだわりすぎていたことを後悔しました。


その時から履いているBLOCHのシュープリマは今も履き続けています。



生徒の足をちらっと見ただけでは本当に合うシューズを決めることはできない。

実際に試し履きするところを見ないとわからない。
だから私は付き添うのです。
店員さんが見られるショップもありますが、今のところお任せできるのはお一人しか知りません。
店員さんに見てもらったと言って、全然合わないシューズの人も多く見てきました。
合わないシューズは足の動きについてこないので、無理な力を入れる癖が付きやすい。

大人は老化、衰えとの戦い。
時間がないんです。
怪我をして時間をロスするだけならまだしも、バレエに復帰できないとか、痛みを抱えてでも踊りたくなってしまう人もいます。

痛みなく、本当に楽しくバレエを続けてもらいたいから、ポワントフィッティングはレッスンの一部なのです。

あとね、合うシューズで立ち方もきれいだとポワント一足が長持ちします。