SNSなどで度々見かけますし、レッスンに来て相談されることも多いです。
『ターンアウトができない』
『外旋筋群が使えない』
『お尻に力が入らない』
そもそも、その頑張りは合っていますか?
まず、ターンアウトの主動筋【大腿方形筋】含む外旋六筋。
いわゆるインナーマッスルなのでそのあたりに力が入った感覚があるのは間違い。
正しく使えると緊張感はある状態になりますが、ギュッと力が入っているのは違います。
お尻に力が入った感じがしたら、それは股関節の動きをロックしているだけで、ターンアウトには繋がりません。
そして一番多い間違い。
『ターンアウトをしようとしているのにできない』人の多くがただ太ももを回そうとします。
バレエの姿勢と動きができていたら『ターンアウトした状態になる』のであって、ターンアウトしてからバレエをするのではありません。
バレエの姿勢と動きを知らない・理解していないのに闇雲に脚を外旋させようとすると余計な力みが生まれ、バレエ習得の障害となります。
中には「私はターンアウトできない股関節の持ち主」と思いこんでしまう人もいます。
また、ターンアウトしようとするあまり、姿勢が崩れてバレエではない他のものになっているケースもありました。
ターンアウトはバレエの基礎の一つではありますが全てではありません。
パやポール・ド・ブラを少しずつ習得していくのと同時に上達させていくものです。
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以上は趣味の人の話。
海外の国立バレエ学校などではこの条件が整っている子どもが選ばれます。
股関節の可動域が広く、太る確率が低く、手脚が長く真っ直ぐであること。
そのほうがバレエの習得がスムーズで、10歳前後で入学して18歳くらいでプロになるためには身体条件で振り分けることも必要なのです。
バレエに向いている身体の持ち主のほうが踊りも美しく訓練しやすいです。
プロになったら、毎日何時間も踊り続けることになるので、条件が悪いと故障の危険も高まります。
条件が良いと、本当にバレエの動きを説明してすぐにターンアウトができて爪先も伸ばせます。
過去にほんの数人、そのような条件の良い人に出会いました。
そんな条件の良い人から、本人がプロになりたいと志望して、更に選ばれた人がプロのダンサーになり、そのさらにごく一部がソリスト以上になるわけです。
コールドバレエの人のほうが圧倒的に多いです。
そんな一握りの人しか公演で踊れないバリエーションを趣味の人が踊ろうとしているのですから大したものです。
道のりが険しくても、頑張っている生徒を応援したいです。
だから普段の基礎に細かくなります。
よくついてきてくれるなぁ…私の生徒たち。
みんないつもありがとう