珍しくジュニアのこと。
幼児からバレエをやっていて6年生になった子ども達、私が教え始めたのは彼女達が小4のときから。
ジュテ・アントルラセの終わりを両足床につくと教わっていたり、「〇〇を見て」と顔の向きを教わっていたり、爪先にギュッと力を入れると思っていたり…
ちょっと???と思う教わり方をしていたそうなのですね。
先生の意図が違ったとしても生徒がそう思っていたなら、きちんと教えたとは言わないのです。
しかも先生がとても怖かったと。
私が教え始めてから少しずつ矯正していましたが、結局は何かが起きてから一つ一つ直すしかないわけです。
発表会のリハーサルでのこと。
目でどこを見るか頑張っていることが判明。
私は言いました。
「あなた達がどこを見るかが大事なのではなくて、お客さんから見たときにどう見えるかが大事。」
顔の向き、どこを見ているように見えるか、ということが必要なのであって、本人が何を見るかではないんです。
さすがに高学年の子たちはハッとした感じで目を丸くしていました。
私のクラスは真面目で大人しい子が多い。
6年生達もあまり主張が強いタイプではなく、どんどん引っ込んでしまう。
その上に自分の感覚で、以前に「見なさい」と教わっていた手を見たり、見るものが見つからないと床を見るので1人1人の空間が狭すぎます。
先生の「〇〇を見なさい」は目線と顔の向きの指示のはずですが、そこをわかっていなかったのか、教わっていないのか…
これを読んだ大人の皆さんは脳内変換するようにしてみてくださいね。
そんなに広い空間ではないスタジオパフォーマンスですが、その狭い空間を使えなかったら踊りが3割減に見えてしまいます。
高学年ならそのくらいはわかっていたい。
できるかどうかは別にしても、意識があるだけで違ってきます。
ちなみに私は「見て」と指導するときは、自分の理想に近づいてもらうために本当に目線を送る方向を教えます。
また、顔の向きの指導のときはどう見えるようにしてほしいか指示を出します。
「横顔のラインを見せてほしい」とかいう感じです。
【顔をつける】のはダンサーがどうしたいかよりもどう見えるか、です。
発表会は観る人がいることで成り立ちます。