ピアニストさんからお聞きしたお話。
バレエピアニストのお仕事の際、物をピアノの上に置くダンサーがいて、注意したら逆ギレされたとか。
とんでもないことですね。
ピアノは物置きではありません。
木製で大きいから?
あの大きさ全体で楽器なのです。
台のように見える平らなところは蓋を開けるととても複雑な作りになっています。

横から見たところ

全体で音を響かせています。
弦をハンマーで叩いて音が出るため、少しの変化で音がズレたりします。
上に物を置くと音が変わるだけでなく楽器自体の負担になります。
また、飲み物を置いている人もいるという話も聞きました。
こぼしたら大変なのです。
木製の部分、金属の部分、両方ともダメージを受けます。
全部の修繕が必要になると、費用の問題だけではなくその間ピアノが使えなくなります。
一度水分を吸った木は完全にもとには戻りません。
もうひとつ、アップライトピアノも。
グランドピアノの弦の部分を縦にしたものと考えたらよいかと思います。

これは見たことのない人が多いかもしれません。

もし、自分のポワントを踏んづけられたり、飲み物をこぼされたらどう思いますか?
でも消耗品であるポワント以上に、きちんと手入れしたら百年単位で使えるピアノがあなたの不注意で一瞬で駄目になるかもしれないのです。
ピアニストさんにとってはピアノはお仕事の相棒であり、共同体。
ピアニストさんの許可なしに触ってはいけません。
触れるときは優しく丁寧に。
少しでも、ピアノを大切に思う人が増えたらと思って書きました。
共感してくださり、写真提供してくださったお二方にも感謝申し上げます。