レッスン中の先生のアドバイス(?)

「ここを使って。」

「ここに力を入れて。」


クエスチョンマークには理由があります。

生徒からは

「そう言われるけどどうやったら使えるのかわからない」

「頑張ってるのに力が入れられない」

という相談をされます。


ちょっと冷静になってみて。

バレエは踊りです。

上達したいのに、力を入れる? 筋肉を使う?

それができたらうまくなると思いますか?


たしかに、関節の動きには主動筋がありますがその筋肉1つだけが使われるわけではありません。


全身の筋肉が同時に、または正しい順序で働くと姿勢を保ったり、動きになります。


正しく筋肉を働かせるためには、筋肉を動かすことを考えるのではなく、どう骨を動かすかが重要です。


つまり、正しい動きを知らなければ、いくら使う筋肉を説明されてもできないのです。


骨格と筋肉の機能を知るために、バレエ指導者なら解剖学の勉強は必要と思います。

しかし仕組みを覚えただけでは生徒に教えるには不十分。

バレエの基礎の正しい動きを理解し、分解し、身体の機能を理解しないとなぜその筋肉を使えた感覚になるのかはわかりません。


私自身、オープンクラスなどで受けるクラスを選ぶ際にはプロフィールに『解剖学を学んだ』と書いてある先生を探したりしたことがあります。

何回か、存在しない筋肉と関節について熱弁されたり、筋肉の名前を羅列したのに説明する機能が間違っていたなんてことがありました。


筋肉の名前なんて知らなくても、バレエの動きを正確に伝えようと丁寧に正確に説明される先生のほうがずっと信用できますしそのほうが重要です。


私は動きを伝えた後に生徒感覚をつかめたか確認するために「ここ使えた感じはする?」と聞くことはありますが「使って」とは言いません。

筋肉を使って、力を入れて、と教える先生は本当の動きを知らないのかもしれません。