大人のレッスンをしていてよく説明すること。
大人はプロのパフォーマンスや動画を見て、ある程度の動きを理解できることが多いです。
最近はレッスン動画もSNSなどで目にする機会が増えましたね。
また、動画サイトで多くのバリエーションなどを観ることもできます。
普段のレッスン以外にも、発表会でやりたい曲をご自分で選んで、「これをやりたいです」と言ってこられることもあります。
私が振り写しをしますが、ときに生徒自身が観た経験から踊りのイメージができていることもあります。
プロの人が踊るとピシッと決まったバランス、ポーズ、高く上がった足…かっこいいですよね。
ポイントポイントで、生徒がカチンと動きを止めたり、グッと力を入れる理由が、私も昔はわかりませんでした。
教えながら生徒に「どんなイメージ?」「何を意識してやってみた?」など質問して、途中からわかるようになったのが
『ピシッとしたところを止めようとしている』
こと。
上手な人が踊っていると止まって見える部分は、動き続けています。
バランス⇒伸び続ける
脚を上げる⇒伸ばし続ける
大きなパと大きなパの間のパ⇒動き続ける
身体を伸ばし続け、力の解放ができると滞空時間が長くなります。
それを『止めている』と解釈していた人が多数。
動き続ける、伸び続ける、力を開放するためには体軸の強さが必要です。
体軸の強さとは筋力ではなく、末端(頭頂、指先、爪先)を開放できて芯がハッキリしていること。
ある程度の筋力も必要ですが、自分で力を入れようとするとその芯はモヤッと広がって体軸は感じられなくなります。
その軸はバーレッスンでバーを引っ張り気味だったりもたれたりすると作れません。
まずは自分の体重を感じ、重心移動を感じられるようにすること。
そこからバレエのパを覚えるとともに体軸を細く強くしていきます。
バーレッスンをきちんとできると、その軸を作ろうとする意識を強くしなくても、バーレッスンの終わりには体軸が作り上げられるのです。
バレエの基礎レッスンって、本当によくできています。
バーレッスンの最初から引き上げらしきもの(と私が言っているみんなが引き上げと思っていて違うもの)を頑張りすぎると、かえって体軸は作りづらくなるのです。
バーレッスンの終わりのほう、デペロッペやグラン・バットマン・ジュテなどで末端の解放ができるくらいになるとセンターレッスンのクオリティが全然違うものになりますよ。