私はよく生徒さんから相談されたり話しかけられたりするほうですし、生徒さんからも「話しやすい」と言われます。


なので話を聞くことが多くて余計に多く感じるのかもしれませんが…


先生にケガをさせられた人がけっこう多いこと、先生方はご存知なのでしょうか?


ダントツ多いのが肋骨骨折。


踊っている最中に

「もっと跳んで!」

「もっと引き上げて!」

とあばらをグイッと掴んで持ち上げられたときにヒビが入ったり、ポキッと音がした(もちろん骨折)、など聞きます。


私の生徒さんの多くが50代以上で、70代80代もいらっしゃいます。


閉経後の女性は骨密度が下がり、更に細身な人や少食な人は栄養が足りず、骨は脆くなっていきます。


ただでさえ折れやすい肋骨がもっと折れやすくなります。


そしてこのケースで今まで聞いた話で100%の人が先生に骨折のことを話していません。


先生に悪いから、先生との関係が悪くなるのが嫌だから… などが理由です。


でもこれは言ったほうがいいです。

ご自身が再びケガをさせられることを防ぎ、ケガ人が増える事を防ぎ、先生がさらに加害者になることを防ぎます。


もし本当のことを話して、レッスンを見てもらえなくなるなど不利益を被るのだとしたら、そんな人にお金を払ってレッスンを続ける意味ってありますか?


バレエの先生以前に人間として最悪です。

先生はわざとケガをさせようとしたわけではないのですから、個人的には教えてくれたほうが親切だと思います。



私は基本的にはグイッと掴むようなことを避けます。

持ち上げたほうが生徒さんの理解が早くなるであろうときは持ち方を工夫し、「ちょっと持ち上げますよ」と声をかけてから引っ張ります。


もちろん力も加減します。


私も、講師をしているスタジオも『ケガや痛みがないレッスン』をうたっているところばかりですが、私の感覚では間違ったポジションを覚えてしまって身体を痛めることだけではなく、こういった先生の指導力不足や不注意からのケガもしないようにすることを含みます。


普通のバレエのレッスンはケガをしないものなのです。


次回はちょっと違うパターンのレッスン中のケガのこと。

『ケガは先生の責任? 生徒の責任?』を書きたいと思います。