元気に走り回り、1時間たっぷりと遊んだ。
しかし足元に戻ってきたおまりーの頭を撫でたその瞬間、また痛がる様子で鳴いたのだ。
おかしい。
ただ頬や頭を優しく撫でただけで甲高い声で鳴くなんて。
いつも撫でろと頭を手に擦り寄ってくるおまりーだ。
絶対におかしい。
そう思いながら帰路へ向かった。
足腰は軽快である。
尻尾も上がり、歩いている鳩を追いかけて走る元気もある。
しかし家の玄関で顔周りを拭いた瞬間、
また痛そうに鳴いた。
顔周りが絶対に痛いのだ。
そう思うともう全ての行動があやしく心配に思えてくる。
いつも散歩の後はソファで眠るおまりーが、
今まで一度も寝たことがないリビングの窓辺で寝ることさえも異常に感じてきた。
来週月曜日から夫は出張で家を空ける。
おまりーも何があってもおかしくないおばあちゃんだ。
何かあってからでは遅いし、何より心配でひよこよさんが干からびる。
夫に連絡し、その日仕事終わりの夫と動物病院へ向かった。
動物病院で震えに震えるおまりーを抱きながら、かかりつけ医の診察を待った。
おまりーのかかりつけ医はアンナという女性であるが、今回診察に呼んだのは
我が家の大家、金髪ショート前髪立ち上げ女の兵藤ユキを思わせるような髪型の
おじさんに見えるおばさん医師であった。
おじさんおばさん医師は全く英語が出来ない医師である。
文明の力Google翻訳を駆使して症状を伝えた。
おまりーのお尻に体温計をさして熱を計るおじさんおばさん医師。
すると稀にも見ないとんでもないドヤ顔で
『熱あんで』
とかましてきた。
39.7度であった。
犬の体温はおよそ37度後半〜39度前半である。
高熱ではないが、発熱しているのだろう。
そして顔周りを触診すると、小さく鳴いた。
それを見て頷いたおじさんおばさん医師は
『レントゲン撮ろか』
とおまりーを抱えて連れて行った。
その5分後、ひよこよさんは防護服を着させられていた。
おじさんおばさん医師は当然のようにひよこよさんと夫に防護服を着るように言い、
受付係の女性が着替えの介助に入った。
なんてことだ。
これではあの、海賊経営病院と同じではないか。
以前脱臼でこの病院に来た時は、かかりつけ医のアンナが自らレントゲンを撮っていたのに。
なのに今回はこんなに病院内を受付女性や医師がたくさん歩いていながら、
ひよこよさんと夫が防護服を着ておまりーを押さえつけることになった。
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