ひよこよさんは最近、タクシーに乗ることが多かった。



おまりーの病院への往来に利用していたからである。
基本的にはトラムやバスに乗るが、
おまりーの負担を考えて車にしていたのだ。


ポーランドはタクシーアプリが数多あるが、
ひよこよさんは『Bolt』を使用ている。


どのタクシーアプリも同様であるが、
行き先を入力して車種を選択して(車種によって運賃が違う)待つだけである。




表示された金額をカード決済するので、それ以上を乗車後に支払うことはなく、ぼったくられる心配もない。

乗車後はドライバー、乗客がお互いに⭐︎で点数をつけ、
その⭐︎の平均点が近い者同士が今後はマッチングするようになるのだ。


良い乗客であるなら良いドライバーさんが、
横柄な乗客であれば荒いドライバーさんがマッチングするという、
『お互い気持ちよく乗りましょうね』
的なよく出来たシステムである。


ドライバーさんの国籍は様々で、
ポーランドはもちろん、ロシア、ウクライナ、トルコ、チュニジア、インドなど色々な国の人がいる。


ひよこよさんは出だしの挨拶でドライバーさんが陽気な人かどうかを瞬時に見極める。


こちらを見ずに小声で挨拶の人には透明人間乗客になりきるが、
体を後ろにひねりながら笑顔で挨拶をしてくれるドライバーさんには話しかけたりする。


ワルシャワはアジア人が少ないので興味深く話しかけてくるドライバーさんもいるのだ。

お話ウェルカムな人には出身地を聞いてみて、
その国の食べ物は何が美味しいかなどの話をしてみる。


そして乗車中にドライバーさんの出身国の
『ありがとう』と『さよなら』をGoogle先生で調べておき、降車の時に伝えてみるようにしている。
すると嬉しそうに返してくれてお互い楽しく終われるのだ。






昨日乗ったタクシーのドライバーさんは、

ひよこよさんを乗せるやいなや


『日本人やろ?』


と聞いてきた。


話したい系のドライバーさんだ。

アプリに乗客の名前が出るので、名前の響きで日本人だと分かったのだと言っていた。




彼はアゼルバイジャン出身だという。


ロシア編をお読みになっている古参の読者さんは覚えていらっしゃるだろうか。



『アゼルバイジャンの柿』である。



アゼルバイジャンの柿①



アゼルバイジャンの柿②



柿に『アゼルバイジャン』と到底結びつかない枕詞がついている。



ひよこよさんはアゼルバイジャンといえば柿であり、柿といえばアゼルバイジャンである。



ドライバーさんに食い気味で


『アゼルバイジャンの柿食べたで』


と言うと


『ほんま?

どこで食べたん?』


と嬉しそうに聞かれたので4年前にロシアにいたことを話した。


すると彼は


『わしこの日本の曲好きやねん』


と言って爆音で流し始めた。





まさかポーランドのタクシーで松原みきの

『真夜中のドア』を聴くとは。





ひよこよさんも世代的にぎりぎり知っている曲でよかった。



『ショート動画見てたらこの曲が流れてきてん。

かっこええなって思ってよく聴いとんのや。

けどもう亡くなってんねやろ?

残念や。』



車内に爆音で松原みきが流れ、周囲の交通の音が聞こえず何回も彼は急ブレーキを踏んだ。




っぶねぇやい!




『日本語で“cute”は“カワイイ”やろ?

アニメで覚えたんや。


youは“カワイイ”で。』




よし、危なかったことは帳消しにしたらぁ。




日本ではタクシーのドライバーさんと話すことなど全くなかったが、

陸続きの大陸にある国にいると色々な国籍のドライバーさんがいて不思議と話してみたくなる。


フレンドリーなドライバーさんに当たった際は、話しかけてみるのも一興のひとつとしておすすめである。



よろしくおねしゃす。




**いつも読んでいただき、ありがとうございます。
さんからのいいね!やコメント、フォロー登録などなどがとても励みになっております。


投稿のお知らせやたまに記事を載せるインスタアカウントはこちら↓



こちらもよろしくおねしゃす。