ちょっと豆鉄砲が生き急いでないか。
そうは言っても壊れたものは壊れたので、
我が家の大家、金髪ショート前髪立ち上げ女の兵藤ユキに連絡した。
するとすぐに返信が来て、業者を向かわせるという。
さすがユキ姐、だてに前髪を立ち上げてない。
『女で前髪が立ち上げている人は自我が強そうやからやり手に違いない(ひよこよ偏見調べ)』
と踏んでこの家に決めただけある。
そして翌日、修理のおじさんが来た。
アレクセイである。
修理工のアレクセイと一緒に見て、
『閉めてもスタートせんのや』
と話した。
するとアレクセイが
『ロシア語イントネーションか?』
と聞いてきた。
ポーランド語と思って話したつもりだった発音がロシア語に聞こえたらしい。
ポーランドもスラヴ語圏のためロシアと似通った言葉がたくさんある。
アレクセイは英語が話せなかったので、
迷った末に思い切ってロシア語で聞いてみた。
すると
『ここの接続部分が壊れてる』
とアレクセイがロシア語で返してくれた。
よかった。
英語おちょんちょん丸のひよこよさんは、
ロシア語の単語単語であれば少しは意思疎通がとれる。
『この部品を今度持ってくるわ。
2日以内に持ってくるようにするから待っててな。』
とアレクセイは帰っていった。
そして2日後、約束通りアレクセイは来た。
電話で誰かに配線の場所を確認しているらしい。
電話を切ったアレクセイは青い星の箇所を動かそうとしていた。
いやアレクセイよ。
そこは木製で壁とくっついてるで。
どう考えても配線がそこにあるとは思えんよ。
絶対ちゃうよ。
しかしアレクセイは、持参した小さなハサミ1本で木の枠を削り始める。
しばらくこの小バサミ1本で格闘していたが、
ダメだと踏んだのかアレクセイはキッチンを見渡し…
ひよこよさんの包丁で削り始めた。
その包丁は日本から持って来たお気に入りの、
大事に使っている包丁である。
モスクワで全く同じ経験があったことが思い出される。
刃こぼれした包丁を見て呆然とするひよこよさんを尻目に、
『枠が外れたわ』
とアレクセイが言うので見てみると
何もないやないか
おいアレクセイよ、何もないやないか。
配線どころかぼろぼろの壁が剥き出しやないか。
アレクセイはひよこよさんを見ながら
『なかったな』
とだけ言った。
ロシアの時と同様、修理工は100%腰履きチラ見せぱんつである。
おいアレクセイよ、ほんまに大丈夫か。
さっきから電話で確認してるけど、
一体どこの誰に何を確認してるんや。
大家のユキ姐に『壊されそうやけど』と連絡しようとしたその時、破壊音が響いた。
おいおい
アレクセイ!!
やっとんな!!
アレクセイは首を振り、
『大工が必要やな…』
とつぶやいた。
食洗機は無事にパーツを交換。
大家のユキ姐に写真付きで連絡すると、
『すぐに大工を手配するわな』
と返ってきた。
対応は迅速なユキ姐なのである。
食洗機は直ったが家と包丁は壊された。
次はちゃんと自分の工具を持った大工に来て欲しい。
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