姿はゴールデンだが、性格は柴犬であったのでそんなに尻尾ぶんぶん系の犬ではなかった。
ほぼひよこよさんの片思いであったと思う。
普段はそっけないが、
触りながらひよこよさんが寝落ちして彼を枕にしてしまった時はそのまま寝かせてくれたこともある。
目覚めたら速攻でどこかへ移動していったので、ひたすら我慢していてくれていたのだろう。
街中でゴールデンを見かけた時は、どうしても触りたくて飼い主さんにお願いしてしまう。
そして触らせていただきながら
『犬って…
犬って本当にいいもんですよねぇ!!』
と気持ち悪い水野晴郎を丸出しにしてしまうのだ。
そんなひよこよさんにチャンスが到来した。
ベルジアンシェパードである。
ひよこよさんの大好物のふわふわ系大型犬だ。
ここは動物病院。
ロシアでも同じであったのだが、
入国後に動物病院でドッグパスポートなるものを取らねばならない。
そのパスポートに狂犬病や混合ワクチンの接種を記録するのだ。
事前に家の近くの色んな動物病院へ電話し、
パスポートを発行出来るか聞いてみてから来院。
口を開けることはなかったのに無事にパスポートが発行。
その病院の待合室でベルジアンシェパードが来院してきたのだ。
ライオンのような大きい手を持った、そのベルジアンシェパードの名はオンブレさんという。
とても人懐こく、オンブレさんはひよこよさんの膝に何度も擦り寄ってきた。
ひよこよさんはものすごく歓喜して、オンブレさんが来る度に何度も撫でさせてもらった。
会計が終わり、車に戻る。
ごっついオンブレさんの名残。
ひよこよさんの一張羅は死んだが、
心は満たされた。
もうそれでいい。
ひよこよさんは大型犬が大好きなのだから。
さよなら一張羅。
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